トランプ 再選。 トランプ大統領が再選したら日本にどんな影響があるの?日米の貿易関係わかりやすく

トランプ氏の再選「90%以上」 前回的中の教授が予測:朝日新聞デジタル

トランプ 再選

実は「史上最強の大統領」?? ノーキスト氏に初めて会ったのは、おととし秋。 その後も取材を続け、ことし1月。 ノーキスト氏の自宅に招かれた。 廊下には、ノーキスト氏が小泉元総理大臣、イギリスのサッチャー元首相、そして、レーガン元大統領とともに写る写真がずらりと飾ってある。 そして、レーガン元大統領の肖像は自宅のみならず、事務所の至る所に飾られている。 レーガン元大統領の下で税制改革のプロジェクトに携わり、大統領の仕事ぶりを間近で見てきたノーキスト氏。 そんな彼は、トランプ大統領をどのように見ているのだろうか。 グローバー・ノーキスト氏 実は、ノーキスト氏は前回の大統領選挙で、共和党の候補者を選ぶ予備選挙では、トランプ氏を応援していなかった。 元ウィスコンシン州知事のスコット・ウォーカー氏を推していた。 知事時代の実績を評価していたためだという。 ノーキスト氏 「当初、トランプ氏は資金集めにも苦労しているようだったし、政治経験もない彼が大統領候補になるとは予想していなかった。 ただ、振り返ると、彼は選挙戦でたくさん失敗しても、それを乗り越えるだけの力があった。 私は、彼のことをよく理解していなかった」 「外から来た」トランプ大統領は、根っからの共和党員ではない。 政治経験もない。 当初は、その手腕に懐疑的だったという。 しかし、それが一転。 今ではトランプ氏のことを、 「史上最強の大統領」と絶賛する。 なぜなのだろうか。 その理由は、3つあるという。 (1)かつてないほどの大減税を実施したこと (2)規制緩和を推進したこと (3)最高裁判所の判事の保守派を増やしたこと つまり、共和党が求めることを、着実に実現していることを評価しているというのだ。 ノーキスト氏 「トランプ大統領は、ほかの共和党の大統領がなしえなかったことをやってのけた。 攻撃されても反撃する強さがあり、これまでとは異なるやり方を貫いている。 政治家は方針を変えることで、批判されることを恐れる傾向があるが、状況に応じて変化できることも彼の強みだ」 そして、こう続けた。 ノーキスト氏 「彼は声が大きいし、顔を真っ赤にさせて大げさにものを言うけど、レーガン元大統領と同じで、自分が何をしたいかがはっきりしている」 意外にも、レーガン元大統領に通じるところがあるという。 さらに、「トランプ大統領は打ち合わせでは静かだし、ファクトを求めてくる。 俳優が舞台上と舞台からおりたあととでは違うのと一緒だ」と、意外な一面も明らかにしてくれた。 一方で、移民の規制や中国との貿易摩擦など、相いれない点もあると話す。 「トランプ大統領だから何でもいい」というわけではなく、共和党の理念である「徹底した減税と小さな政府」を実現させてくれる存在だから、トランプ大統領を後押ししている、ということなのだろう。 その戦略とは、どういうものだろうか? それはシンプルだ。 「地方の怒りを察知しろ」 大統領選挙になると、安全保障、中東問題、外交など、つい大きな問題に目を向けがちだが、ノーキスト氏はこう話す。 ノーキスト氏 「有権者は、アメリカがイラクに侵攻すべきかといった大きな問題ではなく、自分の生活に直結する争点で、投票する候補者を選ぶ傾向がある。 人々は自分たちの日常生活が脅かされたときに投票に向かう。 だからこそ、人々は何に悩み、何にいらだっているかを知ることが重要だ」 そして、悩みやいらだちといった 有権者の怒りが最も現れるのが地方だという。 だから、ノーキスト氏は、地方を軽視しない。 全国的なロビー団体のトップだが、地方の詳細な状況が頭に入っていることに驚かされる。 地方で何が起きているのか、それをいち早く察知するための彼の情報源となっているのが、43の州にある連携団体だ。 ノーキスト氏のロビー団体には、年中、地方を飛び回る専門スタッフが5人いて、そのスタッフたちは各州の連携団体から、その州の現状を学ぶ。 丁寧に有権者の声を拾い、ノーキスト氏に報告をあげるのだ。 ノーキスト氏は、ここで報告される 身近な問題こそが、選挙に勝つカギになると考えている。 なぜなら、そうした問題は、支持政党に関係なく、幅広い層から票を集めることができる可能性があるからだ。 接戦であればあるほど、共和党でも民主党でもない、全米におよそ4割いると言われる無党派層の票の取り込みが必要となる。 今だと、間違いなく、新型コロナウイルスがこれにあたる。 感染者と死者の数が世界で最も多いアメリカでは、経済活動の再開が大きな議論となっている。 そして、各地では、再開を求める抗議デモが起き、混乱が生じている。 経済活動の再開を求めるデモ(ペンシルベニア州 5月15日) これについて、ノーキスト氏は、こう話す。 ノーキスト氏 「民主党の知事は、例えば、教会を閉めたり、ドライブするだけで取り締まったりするなど、新型コロナウイルスに乗じて必要以上の規制を進めている。 それに反発し、経済活動の再開を求める動きが出ているのだ。 これは、2010年の中間選挙で共和党が躍進した原動力ともなったティーパーティー運動と同じように見える。 トランプ大統領の再選にとって、よい兆候だ」 ノーキスト氏は、「ワシントンだけにとどまっていると、感覚が鈍る」として、集めた情報を、共和党の議員やスタッフにも伝えている。 共和党の下院議員と面会するノーキスト氏(左) 有権者が何を求めているかを知ってもらい、共和党の政策に反映してもらうことで、選挙で有利に戦ってもらいたいという戦略だ。 こうした情報は、トランプ大統領にも伝えている。 そして、時には、 地方の怒りを分かりやすい形で見せるために、デモを仕掛けることもある。 例えば、トランプ大統領が電子たばこを規制する考えを示したことを受けて、去年11月にホワイトハウスの前で行われたデモ。 これは、ノーキスト氏の団体が仕掛けたものだった。 ノーキスト氏によると、たまたまヘリコプターからデモを見たトランプ氏は「あれは何だ」と驚いたという。 その後、トランプ大統領は電子たばこ規制の方針を撤回した。 ノーキスト氏 「ロムニー氏やマケイン氏など過去の共和党の大統領候補は、保守派のネットワークの大切さを全く理解しておらず、落選した。 ブッシュ元大統領(息子)は少しは分かっていたが、トランプ大統領はとてもよく分かっている。 トランプ大統領は政治的に賢い人だ」 ノーキスト氏は、保守派のネットワークを最大限活用し、地方の怒りを大きくさせて、争点化する。 争点となった問題は、有権者にとって自分の生活に関わるため、投票へと向かう。 こうして票を積み上げていく。 バイデン氏は強力な相手候補となりうるか? ノーキスト氏は、今後、より陣営に近い立場で、トランプ大統領の選挙運動を支えていくことになる。 特に、税制に精通していることから、政策面でのアドバイスが多くなるという。 ことし2月に会ったときには、「これからは、民主党候補との討論会の準備などで休みが無くなる」と話していた。 ところで、民主党の指名獲得が確実となっているバイデン前副大統領のことをどう見ているのだろうか。 まだ民主党の候補者選びが始まったばかりの去年の秋、来日したノーキスト氏にインタビューした際は、「民主党の候補者は誰も強敵には思えない」と一蹴していた。 とはいえ、接戦になることは認めていた。 そして、新型コロナウイルスの感染拡大という前代未聞の事態が起きた。 これがトランプ大統領の再選にどう影響するか、ノーキスト氏もまだ分からないという。 では、バイデン氏の評価は? ノーキスト氏 「バイデン氏は、左派の政策に賛同した過去があるし、ばかげた発言も多い。 スピーチを忘れることもある。 民主党内では、(新型コロナウイルスの対応で評価されている)ニューヨーク州のクオモ知事を候補者に推す声も出ている。 これは現実的ではないが、もしもバイデン氏の言動が不適切と見なされたら、民主党は彼に候補者から撤退するよう求めることがあるかもしれない」 連日、記者会見を開き、評価を高めているクオモ知事。 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大後、バイデン氏の動向が伝えられる機会は減ったばかりか、大々的な選挙活動もできず、存在感を示せていない。 ノーキスト氏は、こうした状況は、トランプ大統領の再選にとってはプラスになるとみている。 そして、ノーキスト氏は、 トランプ大統領が再選した場合、共和党は連邦議会で勢力を伸ばすことができると期待を示す。 トランプ大統領が再選し、議会上院の多数派を維持すれば、議会下院で多数派を奪還することも夢ではないという。 そうなると、ノーキスト氏が目指す共和党の理念でもある「徹底した減税と小さな政府」に近づくというのだ。 ノーキスト氏 「トランプ大統領は、この4年で公約をすべて果たした。 だから、次の4年も約束したことは果たすだろう。 これまで、こうしたリーダーはいなかった。 共和党にとって、またとない機会なのだ。

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2020年米大統領選が招くのは「円高」か「円安」か?勝者別の為替シナリオ

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支持率も下がる一方で、最近では上がる気配さえありません。 選挙戦を前に、経済再開を望むトランプ大統領が新型コロナウイルスの感染状況が回復に向かってきたと強調し、ようやく経済再開に向けて動き出せたところで悪いニュースが出てきました。 ペンス副大統領の秘書官、そして、トランプ大統領の個人係が新型コロナウイルスに感染していることが発覚しました。 経済再開に向けて動き出したところでのこの事実は、トランプ政権にとって、大変痛手です。 またホワイトハウスに新型コロナウイルスが入った事は確実であり、トランプ大統領自身が感染していないのかも不安視される状況になっています。 この経済再開の動きに関して、米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は「私は経済のスペシャリストではないので経済の事は何も言えないが、私の立場から意見を言うと、経済を急いで再開すれば大変な感染拡大を招くリスクがある」と指摘しています。 この新型コロナウイルスについて今の段階ではまだ全て解明できたわけではないため、再開に感しても慎重な姿勢が大切だ、とファウチ氏は訴えています。 学校などの再開に関しても子供たちの安全を第一に考え、慎重に検討しなければならない問題である、と経済再開について賛成ではない様です。 経済の面からの目線、つまり政治家たちの目線と、感染のスペシャリストからの目線は大きく異なっています。 また先日、室内で行われたトランプ大統領と軍トップ官僚たちの会議の様子では、このパンデミックの状況の中、誰ひとりマスクを付けておらず、政府が自ら訴えているソーシャル・ディスタンシングも全くされていない様子で、見る人々を驚かせました。 国のトップクラスの人たちの危機管理のなさ、浅はかさが浮き彫りとなっています。 今、トランプ大統領の話題はネガティブなものが多いです。 最新の全国調査によると、アメリカ人10人中6人以上が、トランプ大統領から発せられる新型コロナウイルスに関する情報は信用できないと答えています。 また、国民の55%がトランプ政権が行っている新型コロナウイルス対策に、不満を感じており、この数字は3月に比べて約7ポイント上昇しています。 この事実は、今の新型コロナウイルスのパンデミックの対応における信頼の欠如の現れであり、選挙戦にも大きく影響するでしょう。 また、ワシントンポストによると、トランプ大統領は就任中最初の1170日間で18,000を超える誤った発言、そして誤解を招くような発言をしたとありました。 1170日間で18,000回とは、大変多い、いや、多すぎる数です。 4年前からトランプ大統領に味方していた運も、尽きかけているのでしょうか。 前選挙時、投票数ではヒラリー・クリントン氏の勝利だった選挙戦も、運よく、アメリカの選挙制度が味方し、トランプ大統領は勝利しました。 今回の選挙、トランプ大統領にとって今現在は厳しい状況です。 事実、今年はどの国のトップにとっても大変な年です。 新型コロナウイルス感染拡大が世界中に広がる前までは、大統領選挙はトランプ大統領が優勢だろうと言われていました。 トランプ大統領自身も、自分が選挙戦で苦戦するとは想像していなかったでしょう。 この新型コロナウイルス感染が、何もかも、全てを変えてしまいました。 11月3日の本選挙まで、あと半年ほどです。 今年の半年という時間は例年と違い、とても予想しずらい半年後であります。 新型コロナウイルス感染の状況、経済の状況、先行きが不透明なこの状況では、選挙の行方も予測しずらく、トランプ政権も問題対処に待ったなしの状況が引き続き続くでしょう。 ジョー・バイデン氏について バイデン氏は世論調査でリードしており、現在優勢です。 トランプ政権の新型コロナウイルス感染に対する対応に不満を示す国民が多い事から、今、共和党への不信感が高まってきています。 実は、バイデン氏は共和党内の反トランプ党員たちと連絡を取り始めており、トランプつぶしの話し合いが進められています。 トランプ大統領の度重なる大統領らしくない態度、発言、全てにおいてうんざりしている共和党員は多いと前から噂されていました。 バイデン氏からアプローチをかけて、共和党反トランプ勢側がそれに応えた格好です。 もちろん党も違うわけなので、この両者には政策の違いはあります。 しかし、共通の目標を掲げていると言うことで一致団結しました。 バイデン氏は「実際のところ、すでにバイデンの共和党というものが、結成されており、そこには共和党の主要な党員もいる」と発言しています。 バイデン氏は、敵の党員たちも味方につけて、今、自信満々です。 この事実もまた、トランプ大統領にとっては泣きっ面に蜂と言ったところでしょう。 More reading• 免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。 Copyright The Motley Fool Japan 2020.

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再選はかたい? 2020年の米大統領選、データはトランプ大統領勝利の可能性が高いと示している

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この中で五百旗頭氏は、今年11月の米大統領選でのトランプ大統領の再選について、「現時点では五分五分」とした上で、同大統領の再選は日本の国益にはならないと明言した。 また新型コロナウイルスの感染拡大に関連して、国家的な危機に対処するための司令塔としての組織の設立を強く求めた。 Q、新型コロナウイルス対策で日本の安全神話が崩壊しつつあるという指摘があります。 五百旗頭真氏 クルーズ船(ダイヤモンド・プリンセス)の対応については問題があったと思います。 危機というのは、正体が分からないから危機なのであり、最初から正体が分かっていれば危機とは言わない。 そういう時にいろいろな危険性を考えて初めのうちに止めることがいかに大変かということです。 船主、船長と日本の権限が輻輳(ふくそう)する中、日本が船長の協力を取り付けて、船内管理をする以外に感染を抑える道はなかったと思います。 早く乗客を船から出す方針も必要でした。 チャーター機を飛ばして武漢市などから邦人を帰国させた政府の対応は良かったと思います。 これを可能にした背景には中国と日本の政権同士の関係がいいという側面があったと思います。 ただ、旧正月休みに武漢からの旅行者を日本に入れたのは不幸でした。 事態認識が遅れました。 Q、日本の危機管理、特に緊急事態条項を憲法に書き加えることについてどう考えますか。 五百旗頭氏 緊急事態は3種類あるというべきで、戦争、自然災害、そして今回問題になっている疾病、感染病への対応です。 人の動きがますますグローバルになる中で、あっという間に病気が世界中に広がります。 日本は危機管理に弱い国です。 分権的で縦割りでそれぞれはよくやっている。 水準は高いのですが、それぞれの中でしかやらないのが問題で、それを全体的に統御する仕組みが弱い。 首相の下で参謀本部として危機対処の案をつくる専門家を含む機関が国家として必要です。 いい例が東日本大震災です。 原発事故直後に福島第1原発に対する放水の問題が浮上しました。 当時の菅直人首相は自衛隊に指揮を命じましたが、自衛隊の隊長さんは「私は自分の部下には『命を懸けろ』と言えますが、警察や消防の人に命令はできません。 もしどうしてもというなら、私に調整役をやれというならできなくはありません」という状態で、現在に至ってもその問題は何も解決していません。 想定外の事態が起きるまで対処を考えないのが日本のもろいところです。 クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から下船した乗客とみられる人たちや青い防護服を着た関係者ら=2020年2月21日、横浜・大黒ふ頭【時事通信社】 憲法を改正しなくても、危機管理法や対処マニュアルをつくればできます。 Q、憲法改正はできますか。 五百旗頭氏 憲法制定以来70年以上を経てあちこちに不具合が生じており、憲法改正は必要ですが、敷居が高いのですぐにはできません。 その間、緊急事態法や危機管理法などの立法によってすき間を埋めるとともに、統合的な実施機関を設立すればよい。 トランプ大統領の再選を含めどう見ていますか。 五百旗頭氏 トランプ大統領の再選の見通しが主流ですが、私は危ないのではないかと見ています。 私はこの分野の専門家ではありませんが、最近テキサス州を見てきたという人から聞いた話です。 メキシコとの間の壁を造って支持が上昇しているかと思っていたら、壁によって人の行き来が無くなり経済が悪化、それが大統領への批判になっているそうです。 そういうことでいくつかの州で取りこぼしがあるかもしれません。 大まかにいうと、有権者の三分の一が岩盤的なトランプ支持、三分の一がトランプ絶対反対の民主党、残る三分の一は経済状況を見て決めるのです。 中国との経済摩擦は第1段階の合意で悪影響を止めたと思ったら、今回の新型コロナウイルスのせいで世界と米国の経済が傾くと、トランプ大統領の支持が下がり、負ける危険性が出てきたのではないか。 可能性で言えば五分五分ではないでしょうか。 一方、危機が迫ると断固として戦うという姿勢を示すと国民は拍手せざるを得ないなど、現職の大統領側に有利な側面もあるのですが、このような不運な問題で大見えを切れるでしょうか。 Q、トランプ大統領の就任で、「リベラル・デモクラティック・オーダー」を重んじる共和党が大きく変わってしまったと指摘されます。 五百旗頭氏 民主党の方が国際協調システムや相互依存の世界への対応力があると思いますが、共和党の大統領の方が世界秩序と米国の国益への責任感があって、力を背にリーダーシップを発揮でき、たくましいイメージがあります。 ただ、トランプ大統領は国際問題に興味がない。 世界の警察官にはならない、すなわち国際秩序への責任は知ったことではない「アメリカ・ファースト」です。 それではかつての共和党大統領の誇らしい影はどこにもありません。 こんな大統領はこれまで見たことがありません。 Q、トランプ大統領の再選は日本の国益にかなうのでしょうか。 米大統領選の民主党候補指名を争う中道派のバイデン前副大統領(左)と急進左派のサンダース上院議員=2020年3月4日、ワシントン【AFP時事】 五百旗頭氏 いやいや。 4年間だから我慢できても再選されて8年間となるときつい。 安倍首相は個人的にはいい関係を維持していますが、米国抜きでの環太平洋連携協定(TPP)の推進や日・EU(欧州連合)の経済連携協定(EPA)の締結などというトランプ大統領が嫌がることもやっている。 トランプ大統領がどこかで頭にきて切れるのではないかと私はひやひやしています。 五百旗頭氏 トランプ大統領は他に話せる首脳がいないこともあって安倍首相との関係がいい。 トランプ大統領は「俺に対してどうディールしてくれるか」が大事であり、自分の見えないところで人が何をやっていても気にしないという米国では珍しい大統領です。 米国はこれまで、普遍的な価値のもとで原則やドクトリンに反することを例えば日本が行うと締め上げるようなことをしてきました。 ところがトランプという共和党保守の個人関係をもっぱら重視する大統領は、そこは大まかです。 安倍首相はうまく大統領に対し、日本の宣伝をする。 例えば、こんなに米国製の武器を買っているとか。 それをトランプ大統領は真に受けているところがあります。 だからといって、米軍駐留経費のさらなる日本への分担要求を控えさせることができるかどうか。 かつてマティス国防長官が「日本は世界のお手本」と言った通り、日本は十分過ぎるほどに多く負担しています。 トランプ大統領のメンツを失わせることなく収めることができるでしょうか。 Q、日米安保について、トランプ大統領は「米国が攻撃されても日本の若者はソニーのテレビで見ているだけ」などと発言しています。 五百旗頭氏 これはトランプ大統領の持論で、言いたいことはもっと金を出せということでしょう。 中国にもロシアにもそうですが、いろんなことをふっかけて、しばらくしてディールに成功したら国民に対し「俺がこんなに取ったんだ」というパターンです。 でも、安保条約をそういう風にもてあそぶのは感心しません。 幸い日本は大人ですから、フィリピンのドゥテルテ大統領のように米軍との地位協定破棄の決定のような愚かなことはしません。 日本は米国との同盟関係を生かしながら、今後の世界動乱を乗り越えていかねばなりません。 トランプ氏は駐留米軍経費をもっと日本に出させたいのでしょう。 でも日本は既に75%をもっているわけですから、安倍首相とすればきちんと大統領に説明しないといけない。 多少増やすのはやむを得ないとしても、4倍などという話はありえないでしょう。 既に出し過ぎですから。 米国が一方的に日本を守っているとトランプ大統領は考えている。 全くの間違いです。 米国は日本の基地の自由使用により、世界中の米軍の体制を維持している。 そのことから米国も大きな利益を得ています。 一方的に自分の方がサービスしているなど全然現実は違います。 異質ながら相互利益があるということをトランプ氏は認めるべきです。 「日本人はソニーのテレビで見ているだけ」というのは許せない発言です。 陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」にせよ最新鋭ステルス戦闘機F35にせよ、同盟の維持には非常にコストがかかるという指摘があります。 ニューヨークでの日米首脳会談で握手するトランプ米大統領(右)と安倍晋三首相=2019年9月25日、ニューヨーク【AFP時事】 五百旗頭氏 国民総生産(GNP)1%以下の防衛費に示されるように、日本ほど国の安全を安上がりに保っている国はありません。 日米同盟のおかげですが、それが可能な環境が冷戦後急速に失われています。 ミサイル防衛のイージス・アショアは純防御のための兵器ですが。 問題はイージス・アショアについてはお金がかかる割に効果が小さいということです。 完成して配備された時にはそれを上回る攻撃的な兵器ができていて、まるで戦艦武蔵や大和を造ったようなかつての失敗になるのではないか、というのが私の心配です。 極めて控えめな対応ではありますが、それが時宜を得たものかというと私はどうかと思います。 また、F35用にスタンドオフという射程の長いミサイルの装備をしようとしていますが、日本は軍事大国の中国はもとより核開発を進める北朝鮮に対しても弱者です。 日本は戦争を望まないけれども、変なことをしたらそれなりに日本には対応力はありますよという能力を持っていないといけない。 フィリピンが南沙(英語名スプラトリー)諸島のミスチーフ礁を中国に取られたのは、米国を追い出し、かつ自らの力がないからです。 ベトナムが米国、ロシアが居なくなってから西沙(英語名パラセル)、南沙諸島を取られています。 日本は中国のすさまじい軍拡にはもとより、北朝鮮の核能力に対抗することすら難しい。 しかし「日本は小粒だが、ああいう兵器を持っているので手を出したらまずいことになるかもしれない」と考えさせるような自助能力は持たないといけない。 米国がアジア地域にいる間はいいが、長い歴史の中で必ず同盟関係は終わると考えるべきです。 永遠の友も永遠の敵も国際政治の中ではありえないのです。 米国がそっぽを向いてしまったら、日米関係を理由に手出しのできなかった国から仕返しを食らうようではいけません。 攻撃はしないがそれなりの侮りがたい能力があるということを分からせないと。 Q、例えばどういう分野でしょうか。 五百旗頭氏 日本は侮りがたいと思わせているのは、これまでは沖合の敵艦船を沈めるための巡航ミサイルSSM、そして音のしない潜水艦、そして海上保安庁の能力の三つでした。 それが現在は中国の能力があまりに急速に向上してきたので、この三つでは足りなくなってきました。 そこで戦闘機のF35AとBには射程900キロのミサイルが標準装備されています。 私はそれを買うのもいいが、日本国内の防衛産業でも自前でつくれるようにならないものかと注意喚起をしています。 習近平国家主席の今春の来日は延期されましたが、年内には実現する可能性があります。 そうした中、日中の協商関係をどう実現すればいいのでしょうか。 日中の協商関係をどう実現すればいいのでしょうか。 五百旗頭氏 中国が単に米国との関係悪化から日本との関係を一時的に改善しているだけなのか。 もっとグローバルな国際外交を進める上で日本との関係を戦略的に捉えているのかが大きなポイントです。 これまで中国は国内に根深い反日観があり、前者でしかありませんでした。 習近平時代の行方に注目したいと思います。 中国の持続的な利益のために日本の協力を求めてくるとしたら、日本はどうすべきか。 「日中協商」以上に進む場合、反中に傾く米政権は穏やかでおれないでしょう。 米中が対立している中で日本がいかにバランスを取るかは難しい。 もっとも米中は激しく対立しているように見えますが、どちらも戦争はできないと考えています。 冷戦時の米ソの場合はすみ分けができていました。 今、米中はお互いに入り組んだ関係ですので戦争はできないにせよ、日本はコストを払っても労をいとわず、米中の平和を取り持たないといけません。 日本外交にその役割を担えるかどうか、日本の軽重が問われているところです。 Q、米中の覇権争いは続きますか。 五百旗頭氏 対抗関係は続きますが、すみ分けはできないので、米中が共同でよりまともな仕組みに世界を変えていくしかありません。 それが相互利益であり、人類共同の利益だと達観して向き合わないとだめです。 そこで日本や欧州が役割を果たすべきなのですが、欧州はポピュリズムでがたがたですから、今のところは日本しかできそうな国はないのが現実です。 第2次世界大戦中、米ソ両大国では戦後秩序がつくれない中、老大国イギリスが間に入ることによって生まれたことを想起すべきです。 日本はどれほどの国なのでしょうか。 1943年兵庫県生まれ。 京都大学法学部卒。 広島大学、神戸大学で教べんをとり、政治学会理事長、防衛大学校校長、復興構想会議議長などを務める。

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