艦これss提督。 【艦隊これくしょんSS】提督「ああ?やっぱり嫌だった?」

[B!] 【艦これ安価】提督「艦娘に看護される日々」 : あやめ速報

艦これss提督

「青葉、見ちゃいました!」 挨拶もせずに意気揚々と執務室に飛び込んできた青葉。 手には数枚の写真を持っている。 「どうした?またスクープか?」 提督は優しく訊ねた。 「はい!これは大スクープです!」 青葉はニコニコとしながら快活とした声で答える。 「これはですね~司令官も黙っていられませんよ?」 「……俺か?」 提督はここ数日の自分の行動を思い返すが、スクープと言えるようなことは特に思い当たらなかった。 「……俺がどうしたんだ?」 「教えてほしいですか~?」 ニヤニヤしながら歩み寄ってくる青葉。 「勿体ぶるなよ。 教えてくれ、な?」 スクープを激写された人間が頼むのも些かおかしいが、ダメもとで提督は頼んでみる。 「ええ、良いですよ。 題して、知られざる司令官の一日!」 意外なことに青葉は、笑いながら写真を机に置いた。 「まずはこれですね」 青葉が提示した写真は、提督が眠っているものだった。 「これは……」 穴が空くほど見るも、大スクープになりそうなものは写っていない。 「……俺が寝ているだけだが」 本当にただそれだけの写真だ。 強いて言うなら、布団を蹴って右足が出ているくらいか。 「よく見てください!」 青葉が若干興奮しながら引っ込めていた手を出し、写真のやや上の部分を指差した。 「ここです!」 「ここ……?」 青葉の指の先には、横向きになって寝ている提督の手。 「よぉーく見てください」 言われるままに目を凝らすと、上から桃色の糸が垂れ下がっているのがかろうじで見えた。 「これは、写真を撮ったときに偶然写った青葉の髪の毛です!それがほら、丁度小指に結ばれているような感じに見えません?」 「…………言われてみれば」 そう見えなくも無いこともない。 「これは運命の赤い糸。 まるで、青葉と司令官の明るい未来の暗示じゃないですか!」 「……あぁ、そういう」 ほのぼのした話題で、提督は内心ほっとした。 「反応が薄いですね……まぁ、次のにいきましょう!」 次に青葉が見せてきたのは、提督が歯を磨いているところ。 これも特に説明するところは無い。 「…………ん?」 「わかりませんか?ここですよ!ここ!」 しびれを切らした青葉が再び指で指したのは、鏡だった。 「これです!これは、青葉の服です!」 ……なるほど、言われてみれば、鏡の端に写っているのは青葉の服だ。 「たぶん、正面から見たら司令官と並んで歯を磨いているように見えたんでしょうねぇ……撮りたかったです」 悔しそうな顔の青葉。 「……これ、スクープか?」 「はい。 こういうのは、相手に惜しい!と思わせて興味をそそらせる話題です」 「…………ふぅん」 あまり詳しくは知らないので提督は聞き流す。 「これはお気に入りです!」 満面の笑みで提督に見せたのは、多少ぶれているが、玄関で振り返る提督の姿だった。 「この感じ、まさしく夫婦しか分かち合えない瞬間ですよね!青葉、この写真が撮れたとき思わず手が震えちゃいました!」 テンションが高ぶる青葉が今にもぶつかりそうなほど提督に迫った。 「………………これ、俺の実家じゃないか」 「以上、司令官の知られざる一日でした!」 こうして青葉の写真公開は幕を閉じた。 「いやぁ~知らない人と密会なんてしてたらどうしようかと思いましたが、そんなことはなくて安心しました」 提督は何も言えず、ただ座っているだけ。 「では、次回は未定ですが今後とも青葉をよろしくお願いします!」 そう言って青葉は執務室を後にした。 【抜き打ちテスト】 「提督……」 呟きながら提督に歩み寄る秋月。 「落ち着け秋月」 冷静に対処しようと必死な提督は、自分に向けられた25mm連装機銃をなるべく見ずになだめようとしている。 「着任したとき、秋月を頼りにしてるとおっしゃいましたよね?」 「ああ、確かに言った」 秋月は更に一歩提督に近づく。 「秋月がMVPを取ったとき、秋月の頭を撫でてくれましたよね?」 「そんなこともあったな」 「秋月と食事に行きましたよね?」 「……行ったな」 「秋月のこと、かわいいって言ってくれましたよね?」 「……言ったし、今もそう思っているよ」 「なら、どうして島風と食事に行かれたのですか?」 徐々に近づいていた秋月の歩みが提督の目の前で止まった。 もう秋月にはしてくれないんですか?」 開かれた目は、目の前の愛する人を逃すまいと言わんばかりにぶれること無く視線を注ぐ。 「秋月は頼りにならないんですか?」 「秋月は主力メンバーじゃないか。 確かに、最近は目覚ましく成長してきている夕立にかまっている時間が増えている。 「………なにも一番に拘らなくてもいいだろ?」 「いいえ」 きっぱりと否定した秋月。 彼女は銃口の向きを180度回して 「それじゃ、意味がないんです」 躊躇いもなく撃った。 【一番】 「提督、どうして妙高姐さんと一緒にいたの?」 「ん?……いや、仕事を手伝ってもらっていたんだ」 「……ふぅん」 含みのある目で提督を見る足柄。 「もしかして嫉妬か?……なんてな!」 笑い飛ばす提督。 こうした軽口を叩けるのも、彼と足柄の間柄からくるものであることを提督は知っている。 「…………ねぇ」 「ん?どうした?」 「もし私が本当に嫉妬していたらどうする?」 「…………え?」 予想外の質問に提督は思わずすっとんきょうな声を上げる。 「……いやいや、それは嘘だろ?」 足柄は返事をせずに、ただにこりと笑って。 「……本当か?」 「……なんてね!冗談よー」 いきなりケラケラ笑い出す。 豹変ぶりに提督は呆気に取られた。 「本気かと思ったじゃねぇか」 胸を撫で下ろす。 正直、提督は彼女をそんな目で見たことが無かった。 「私たちは、この距離感が一番よ」 今は。 その言葉は口には出さなかった。 「まあな」 提督が照れくさそうに笑う。 「正直言って、そんな目で見たことが無かったから焦ったぞ」 「…………そう」 落ち着け。 足柄は襲いかかりそうな衝動を押さえて、自分に言い聞かせる。 今はこれでいい。 彼に一番近いのは間違いなく自分だ。 「こんな話、姐さんたちとしちゃダメよ?」 じゃないと、自分を押さえられない。 そんな言葉は隠して、ふらっと舞うように近づき提督の腕に抱きつく。 「……ね?」 ここは、自分だけの場所。 自然と顔が緩む。 その言葉は、足柄の頭には入ってこなかった。 「それで、返事はどうしたの?」 「いや……流石にこんなご時世だし、部下と付き合うわけにはいかないって」 「断ったのね?」 「いや……保留」 提督は切り捨てなかったようだ。 ならば 「……忙しくなりそうね」 この場所が奪われないように、抱きつく力が強くなった。 【縄張り】 「司令官!おはようございます!」 「おはよう……ん?朝潮か。 そんな張り切ってどうした?」 若干戸惑いながら挨拶を返す。 朝一番に朝潮が、それもこんなに意気揚々と自分を起こすとは何事か。 「ようやくわかりました!」 「……何が?」 そう聞かざるをえない。 彼女には考えさせるようなことは何も言っていないはずだが……全く思い当たらない。 「暗号です」 「あぁ……え?」 回答の意味がわからず、謎は深まるばかり。 「……なんかしたっけ」 俺はしばらく考えてみるも、それらしきことは思い出せない。 ここまで悩んでも出てこないというのは、単に寝起きだからというわけでは無さそうだ。 「忘れたのですか?昨日の夜です」 「……夜に朝潮は俺と会ったか?」 「はい!僭越ながら、司令官の自室にお邪魔しました」 「んー……そうだったか?」 俺の記憶では、疲れていたから、金剛あたりが睡眠の邪魔に入らないように鍵を掛けてそのまま寝たはずだが…… 「……朝潮。 悪いが昨日の夜のこと、どうやら俺は忘れてしまったらしい」 「えっ、大丈夫ですか!? 」 「そこで悪いんだが、朝潮が出来る限りでいい。 昨日の俺が何をしてたか教えてくれないか?」 「かしこまりました!」 敬礼をした朝潮は、ポーチからなにやらメモ帳を取り出した。 「昨夜は0003に就寝。 0154に寝言で命令を出す。 0227に1度起きて水を飲みに食堂へ。 その5分後に再び就寝。 0448に寝返りをうつ。 0555に目覚ましの音で目を覚ますも、再び布団に潜る。 0615に私に起こされる」 「……は?」 「……どこか間違えたでしょうか」 キョトンとした目で訊いてくる朝潮。 その目は純粋で、元々の性格も考えると他意は無さそうだ。 「……どうやって調べたんだ?」 先程まで可愛らしく感じていた少女に、今は恐怖しか感じない。 「どうとは……?普通に警備していましたが」 「どこでだ?鍵もかけたはずだが」 「……部屋に居ました。 秘書艦ですからね」 当たり前のことを言っているつもりなのか。 彼女の目はやはり純粋な輝きを放っている。 「寝ながらも指揮を執られるなんて、私、感服しました!」 「いや、それはただの寝言で」 「朝潮の名前を5回も呼びましたよね?たいへん嬉しかったです」 「いや……」 朝潮は話を聞かず、喋り続ける。 「お礼と言ってはなんですが、金剛さんを解体しておきました」 「………………なんて?」 「何度もおっしゃっていたじゃないですか。 金剛うるさい、と。 今だから言えますが、私も同感でした。 仕事をしてい司令官に気安く近寄って、邪魔しかしない」 「…………金剛をどうしたと?」 「正直あの人には殺意しか感じませんでした。 ……あっ、もしや司令官はそんな私を気遣ってくれたのですか?ありがとうございます!」 「いや……だから」 「彼女は命令通りバラバラにしてから海へ投げておきました。 そういう暗号の内容ですよね?では司令官」 彼女は俺に尊敬の念がこもった視線をぶつけ、 「次のご命令を」 【忠犬】 「司令官!見てください!」 言われた通り提督が窓に目をやると、海の向こうに夕日が見えた。 「……ほぉ。 綺麗だな」 西の空が赤く燃え、太陽が今日最後の輝きを魅せる。 雲は1つもなく、その明るさを損なうものはなにもない。 「ずっと見ていたいです」 春雨がうっとりした目で呟いた。 そのままちらりと提督に視線を送る。 「明日は晴れかな……」 だが、彼女の太陽はそんなことに気づかない。 自然と溜め息が漏れる。 男女二人でひとつの窓から夕日を眺める。 この構図。 「危ないなぁ」 そう言いながらも提督は優しく抱き止める。 「夕立、結構頑張ったっぽい!」 褒めてー、と提督にじゃれつく姉。 狙っているのかいないのか。 春雨に向けられていた視線を全て持っていき、なおかつ場所まで取り上げる目の前の姉。 「……………………」 まただ。 「……そういや、春雨はなんて言おうとしたんだ?」 「…………いえ、大したことではありません」 「……そうか」 彼女のせいで私の太陽がよく見えない。 「せっかくの夕日が、きれいじゃない……」 夕立の声に書き消された言葉は、また1つ春雨の心に積もってゆく。 「…………黒い雲が邪魔で、よく見えない」 彼女の心に雨が降る。 【どしゃ降り】.

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【艦これ】提督「初心者!」|エレファント速報:SSまとめブログ

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「青葉、見ちゃいました!」 挨拶もせずに意気揚々と執務室に飛び込んできた青葉。 手には数枚の写真を持っている。 「どうした?またスクープか?」 提督は優しく訊ねた。 「はい!これは大スクープです!」 青葉はニコニコとしながら快活とした声で答える。 「これはですね~司令官も黙っていられませんよ?」 「……俺か?」 提督はここ数日の自分の行動を思い返すが、スクープと言えるようなことは特に思い当たらなかった。 「……俺がどうしたんだ?」 「教えてほしいですか~?」 ニヤニヤしながら歩み寄ってくる青葉。 「勿体ぶるなよ。 教えてくれ、な?」 スクープを激写された人間が頼むのも些かおかしいが、ダメもとで提督は頼んでみる。 「ええ、良いですよ。 題して、知られざる司令官の一日!」 意外なことに青葉は、笑いながら写真を机に置いた。 「まずはこれですね」 青葉が提示した写真は、提督が眠っているものだった。 「これは……」 穴が空くほど見るも、大スクープになりそうなものは写っていない。 「……俺が寝ているだけだが」 本当にただそれだけの写真だ。 強いて言うなら、布団を蹴って右足が出ているくらいか。 「よく見てください!」 青葉が若干興奮しながら引っ込めていた手を出し、写真のやや上の部分を指差した。 「ここです!」 「ここ……?」 青葉の指の先には、横向きになって寝ている提督の手。 「よぉーく見てください」 言われるままに目を凝らすと、上から桃色の糸が垂れ下がっているのがかろうじで見えた。 「これは、写真を撮ったときに偶然写った青葉の髪の毛です!それがほら、丁度小指に結ばれているような感じに見えません?」 「…………言われてみれば」 そう見えなくも無いこともない。 「これは運命の赤い糸。 まるで、青葉と司令官の明るい未来の暗示じゃないですか!」 「……あぁ、そういう」 ほのぼのした話題で、提督は内心ほっとした。 「反応が薄いですね……まぁ、次のにいきましょう!」 次に青葉が見せてきたのは、提督が歯を磨いているところ。 これも特に説明するところは無い。 「…………ん?」 「わかりませんか?ここですよ!ここ!」 しびれを切らした青葉が再び指で指したのは、鏡だった。 「これです!これは、青葉の服です!」 ……なるほど、言われてみれば、鏡の端に写っているのは青葉の服だ。 「たぶん、正面から見たら司令官と並んで歯を磨いているように見えたんでしょうねぇ……撮りたかったです」 悔しそうな顔の青葉。 「……これ、スクープか?」 「はい。 こういうのは、相手に惜しい!と思わせて興味をそそらせる話題です」 「…………ふぅん」 あまり詳しくは知らないので提督は聞き流す。 「これはお気に入りです!」 満面の笑みで提督に見せたのは、多少ぶれているが、玄関で振り返る提督の姿だった。 「この感じ、まさしく夫婦しか分かち合えない瞬間ですよね!青葉、この写真が撮れたとき思わず手が震えちゃいました!」 テンションが高ぶる青葉が今にもぶつかりそうなほど提督に迫った。 「………………これ、俺の実家じゃないか」 「以上、司令官の知られざる一日でした!」 こうして青葉の写真公開は幕を閉じた。 「いやぁ~知らない人と密会なんてしてたらどうしようかと思いましたが、そんなことはなくて安心しました」 提督は何も言えず、ただ座っているだけ。 「では、次回は未定ですが今後とも青葉をよろしくお願いします!」 そう言って青葉は執務室を後にした。 【抜き打ちテスト】 「提督……」 呟きながら提督に歩み寄る秋月。 「落ち着け秋月」 冷静に対処しようと必死な提督は、自分に向けられた25mm連装機銃をなるべく見ずになだめようとしている。 「着任したとき、秋月を頼りにしてるとおっしゃいましたよね?」 「ああ、確かに言った」 秋月は更に一歩提督に近づく。 「秋月がMVPを取ったとき、秋月の頭を撫でてくれましたよね?」 「そんなこともあったな」 「秋月と食事に行きましたよね?」 「……行ったな」 「秋月のこと、かわいいって言ってくれましたよね?」 「……言ったし、今もそう思っているよ」 「なら、どうして島風と食事に行かれたのですか?」 徐々に近づいていた秋月の歩みが提督の目の前で止まった。 もう秋月にはしてくれないんですか?」 開かれた目は、目の前の愛する人を逃すまいと言わんばかりにぶれること無く視線を注ぐ。 「秋月は頼りにならないんですか?」 「秋月は主力メンバーじゃないか。 確かに、最近は目覚ましく成長してきている夕立にかまっている時間が増えている。 「………なにも一番に拘らなくてもいいだろ?」 「いいえ」 きっぱりと否定した秋月。 彼女は銃口の向きを180度回して 「それじゃ、意味がないんです」 躊躇いもなく撃った。 【一番】 「提督、どうして妙高姐さんと一緒にいたの?」 「ん?……いや、仕事を手伝ってもらっていたんだ」 「……ふぅん」 含みのある目で提督を見る足柄。 「もしかして嫉妬か?……なんてな!」 笑い飛ばす提督。 こうした軽口を叩けるのも、彼と足柄の間柄からくるものであることを提督は知っている。 「…………ねぇ」 「ん?どうした?」 「もし私が本当に嫉妬していたらどうする?」 「…………え?」 予想外の質問に提督は思わずすっとんきょうな声を上げる。 「……いやいや、それは嘘だろ?」 足柄は返事をせずに、ただにこりと笑って。 「……本当か?」 「……なんてね!冗談よー」 いきなりケラケラ笑い出す。 豹変ぶりに提督は呆気に取られた。 「本気かと思ったじゃねぇか」 胸を撫で下ろす。 正直、提督は彼女をそんな目で見たことが無かった。 「私たちは、この距離感が一番よ」 今は。 その言葉は口には出さなかった。 「まあな」 提督が照れくさそうに笑う。 「正直言って、そんな目で見たことが無かったから焦ったぞ」 「…………そう」 落ち着け。 足柄は襲いかかりそうな衝動を押さえて、自分に言い聞かせる。 今はこれでいい。 彼に一番近いのは間違いなく自分だ。 「こんな話、姐さんたちとしちゃダメよ?」 じゃないと、自分を押さえられない。 そんな言葉は隠して、ふらっと舞うように近づき提督の腕に抱きつく。 「……ね?」 ここは、自分だけの場所。 自然と顔が緩む。 その言葉は、足柄の頭には入ってこなかった。 「それで、返事はどうしたの?」 「いや……流石にこんなご時世だし、部下と付き合うわけにはいかないって」 「断ったのね?」 「いや……保留」 提督は切り捨てなかったようだ。 ならば 「……忙しくなりそうね」 この場所が奪われないように、抱きつく力が強くなった。 【縄張り】 「司令官!おはようございます!」 「おはよう……ん?朝潮か。 そんな張り切ってどうした?」 若干戸惑いながら挨拶を返す。 朝一番に朝潮が、それもこんなに意気揚々と自分を起こすとは何事か。 「ようやくわかりました!」 「……何が?」 そう聞かざるをえない。 彼女には考えさせるようなことは何も言っていないはずだが……全く思い当たらない。 「暗号です」 「あぁ……え?」 回答の意味がわからず、謎は深まるばかり。 「……なんかしたっけ」 俺はしばらく考えてみるも、それらしきことは思い出せない。 ここまで悩んでも出てこないというのは、単に寝起きだからというわけでは無さそうだ。 「忘れたのですか?昨日の夜です」 「……夜に朝潮は俺と会ったか?」 「はい!僭越ながら、司令官の自室にお邪魔しました」 「んー……そうだったか?」 俺の記憶では、疲れていたから、金剛あたりが睡眠の邪魔に入らないように鍵を掛けてそのまま寝たはずだが…… 「……朝潮。 悪いが昨日の夜のこと、どうやら俺は忘れてしまったらしい」 「えっ、大丈夫ですか!? 」 「そこで悪いんだが、朝潮が出来る限りでいい。 昨日の俺が何をしてたか教えてくれないか?」 「かしこまりました!」 敬礼をした朝潮は、ポーチからなにやらメモ帳を取り出した。 「昨夜は0003に就寝。 0154に寝言で命令を出す。 0227に1度起きて水を飲みに食堂へ。 その5分後に再び就寝。 0448に寝返りをうつ。 0555に目覚ましの音で目を覚ますも、再び布団に潜る。 0615に私に起こされる」 「……は?」 「……どこか間違えたでしょうか」 キョトンとした目で訊いてくる朝潮。 その目は純粋で、元々の性格も考えると他意は無さそうだ。 「……どうやって調べたんだ?」 先程まで可愛らしく感じていた少女に、今は恐怖しか感じない。 「どうとは……?普通に警備していましたが」 「どこでだ?鍵もかけたはずだが」 「……部屋に居ました。 秘書艦ですからね」 当たり前のことを言っているつもりなのか。 彼女の目はやはり純粋な輝きを放っている。 「寝ながらも指揮を執られるなんて、私、感服しました!」 「いや、それはただの寝言で」 「朝潮の名前を5回も呼びましたよね?たいへん嬉しかったです」 「いや……」 朝潮は話を聞かず、喋り続ける。 「お礼と言ってはなんですが、金剛さんを解体しておきました」 「………………なんて?」 「何度もおっしゃっていたじゃないですか。 金剛うるさい、と。 今だから言えますが、私も同感でした。 仕事をしてい司令官に気安く近寄って、邪魔しかしない」 「…………金剛をどうしたと?」 「正直あの人には殺意しか感じませんでした。 ……あっ、もしや司令官はそんな私を気遣ってくれたのですか?ありがとうございます!」 「いや……だから」 「彼女は命令通りバラバラにしてから海へ投げておきました。 そういう暗号の内容ですよね?では司令官」 彼女は俺に尊敬の念がこもった視線をぶつけ、 「次のご命令を」 【忠犬】 「司令官!見てください!」 言われた通り提督が窓に目をやると、海の向こうに夕日が見えた。 「……ほぉ。 綺麗だな」 西の空が赤く燃え、太陽が今日最後の輝きを魅せる。 雲は1つもなく、その明るさを損なうものはなにもない。 「ずっと見ていたいです」 春雨がうっとりした目で呟いた。 そのままちらりと提督に視線を送る。 「明日は晴れかな……」 だが、彼女の太陽はそんなことに気づかない。 自然と溜め息が漏れる。 男女二人でひとつの窓から夕日を眺める。 この構図。 「危ないなぁ」 そう言いながらも提督は優しく抱き止める。 「夕立、結構頑張ったっぽい!」 褒めてー、と提督にじゃれつく姉。 狙っているのかいないのか。 春雨に向けられていた視線を全て持っていき、なおかつ場所まで取り上げる目の前の姉。 「……………………」 まただ。 「……そういや、春雨はなんて言おうとしたんだ?」 「…………いえ、大したことではありません」 「……そうか」 彼女のせいで私の太陽がよく見えない。 「せっかくの夕日が、きれいじゃない……」 夕立の声に書き消された言葉は、また1つ春雨の心に積もってゆく。 「…………黒い雲が邪魔で、よく見えない」 彼女の心に雨が降る。 【どしゃ降り】.

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【艦これSS】提督「最高練度に達した艦娘が、ことごとく無気力になっている」

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あ、眼鏡を外した大淀さんってレアだよ。 写真撮ればよかった。 まあ無理だけど。 大淀「わざとです」 提督「うん、わかってるよ!」 まったく反省もせず、冷たい眼差しで私を見下ろしてくる。 あ、ちょっとゾクッとした。 大淀「仕方ありませんね。 金剛「提督ー! ただいまデース!」 ずどん! 「ぐっ・・・! ふっ・・・。 おかえり、金剛」 「はいデース!」 ノックどころか、ドアを開けた勢いのまま金剛が抱きついてきた。 足を踏ん張り、全身の筋肉を酷使して金剛を抱きとめる。 男の意地である。 満面の笑みで抱きつく金剛は、ほぼ同じ身長とは思えないほど細く、軽い。 まあ突進力はとんでもないんだけどね。 金剛「提督、私、最高翌練度に達したヨー!」 提督「ああ、よくやってくれた・・・。 おめでとう」ナデナデ 金剛「ん~・・・」スリスリ 抱きしめたまま、金剛の長い髪を撫でる。 すりすりと頬ずりする様は、とても可愛らしい。 提督「今日はゆっくり休んでくれ。 が、それがなにかわからない。 金剛「・・・それだけ、デスか?」 提督「ん? あ、ああ、祝賀会は予定しているが」 それだけ? ほかに何かあるのか? するのか? 金剛「・・・。 ・・・そうデスか」 私の沈黙を肯定と受け取ったのだろう。 打って変って、とぼとぼと退室する金剛を見送る。 扉が閉まる瞬間、隙間から見えた比叡・榛名・霧島の視線が自分に刺さったかと思った。 息が止まったもん」 大淀「・・・」 大淀「ふんっ」 ペチーン 提督「ぶっ!?」 予備動作の無いビンタを、艦娘の身体能力で食らう。 体がねじれた! し、視界がガクガクと揺れている・・・! 提督「なんで・・・?」 大淀「次、いきましょう」 提督「・・・はい」 こちらの非難はまるっと無視された。 だが、逆らえない。 逆らったらヤられる、そう私の妖精が叫んでる。 仕方ない、次、いってみよう。 龍驤「提督ー! 帰ったでー!」 ドアを蹴り開け、龍驤が提督室に飛び込んでくる、いやだからノックしてよね? 私は席を立ち、うずうずしている龍驤近づく。 提督「龍驤お帰り。 最高翌練度おめでとう」 龍驤「うち、やったでー! ほめてほめてー!」 提督「ああもちろん、ほぉーら!」 龍驤を高く抱き上げる。 いわゆる、高い高いだ。 古参の空母として機動艦隊の要だが、なんて軽いんだろう。 龍驤「はい!」 ひとしきり遊んだ後、龍驤が手を出しだす。 龍驤の眼がキラキラと輝き、幻の尻尾がぶんぶん振られているのが見えるようだ。 ふふふ、まったくよくばりさんめ。 懐は少し痛いが、大事な艦娘のためだからね。 龍驤「・・・」 提督「・・・」 何かを言いいたそうに私を見上げてくる。 とりあえず、笑顔でウインクしてみた。 龍驤「ああ・・・、うん・・・、 ありがとうなぁ・・・」 なんだかテンションの下がった龍驤が、静かに退室した。 繰り返すが、艦娘の身体能力でのデコピンである。 眉間に穴が開いてないか、頭蓋骨が割れていないか触診する。 ・・・よかった、大丈夫みたいだ。 大淀「他の方はどうでしたか?」 深ーいため息をついた後、大淀が私を見下ろしてくる。 またゾクゾクする。 なにかに目覚めた気分だ。 提督「うーん、鳳翔さんや明石はあんまり変わらなかったと思うよ。 店や工廠が一種間くらい開かなかったのがちょっと困ったが」 提督「曙は「クソがっ!」って思いっきり噛み付いてきたけど、あいつはいつも怒ってるしね」 提督「大井と北上は「ふーん」ってクールに去った後、勝手に出撃して魚雷をボカボカ撃ってたよ」 提督「一航戦と五航戦は、飯も食べずにずっと波止場で海を眺めていたらしい」 提督「あとは・・・」 大淀「ええ、ええ、覚えてますとも」 大淀「みんな、私はすぐ横で見ていましたから」 大淀が大きく首を振りながら、次を促す。 可愛い。 叢雲「怪我で入渠した分、みんなより遅れたけど・・・、ようやくだわ」 提督「うん、おめでとう。 そして、ありがとう」 叢雲「・・・」ドヤァァァ 無言で胸を張る叢雲。 ドヤ顔が似合うトップ5とかあったら、余裕でランクインするよね。 叢雲「はい、もらってあげるわ!」 胸を張って手を差し出してくる。 動けない。 不安げに私を見上げる叢雲、こんな弱弱しい彼女ははじめて見る。 叢雲「ねえ、お願いよ・・・。 本当に、私じゃ、ない、の?」 提督「・・・」 小さな体を縮こまらせて、声を詰まらせて訴えてくる。 だが、わからない。 何が欲しいんだ? 何を渡せばいいんだ? ぽろり 叢雲「っ・・・、もういいわよっ!」 流れ出した涙をぬぐうこともせず、駆け去っていった。 私は追いかけようとしたが・・・、追いかけて、追いついて、どうすればいいんだ? その迷いから結局、彼女を追うことは出来なかった。 なんというか・・・、ふんばれないというか」 大淀「気合でひっくり返していた戦局で、順当に負けているだけです」 提督「・・・練度は最高なんだ。 なぜこうなった?」 大淀「本当にわからないんですか?」 提督「大淀さん、貴方は転籍で来られた方だ。 私ではわからないことも、わかるのではないですか?」 大淀「・・・わかりました」 大淀がなにかの設備のスイッチを押したように見えた。 提督が秘書艦を選ばないから、本部からほぼ押し付けるようにですが」 提督「あー、うん、ごめんなさい。 でも、感謝してます」 大淀「いえ、それは構いません。 よくしてもらってますし」ニコッ 私は秘書艦を選ばなかった。 鎮守府の規模が小さければそれでよかった。 だが、徐々に業務が滞り、それでも秘書艦を選ばなかった私に、本部は強制的に大淀を着任させた。 大淀「秘書艦をしていて、思ったことがあります。 そもそも、軍人ですらなかった。 ある日突然、「適性がある」というだけで半強制的に提督にされただけの一般人だ。 そんな状態だから、教練もまともに聞く気になれず、そのせいで成績最低、その結果が僻地への赴任だった。 提督「あー・・・」 着任後も、サボりっぱなしだった。 艦娘も鬱陶しいだけだった。 だから、適当に計画し、適当に命令して、適当に出撃させた。 その結果が艦隊壊滅、出撃した全員の大破帰還という結果だった。 今思えば、轟沈しなかっただけでも奇跡だと思う。 なのに、帰還した艦娘は誰も私を責めなかった。 それどころか、旗艦の金剛は私に謝ったのだ! 預かった皆に怪我をさせてごめんなさい、と。 私は泣いた。 自分は何をしていたんだ? こんな一所懸命な女の子たちに、何をさせた? 私こそすまない、生きて帰ってくれてよかった、すまない、ありがとう。 皆で抱き合って泣いた。 大声で泣いた。 その時が、私の本当の意味での着任だった。 本部からの危険な命令は拒否、無視。 練度を高め、安全な任務のみをこなす。 皆の、あんな悲しげな顔を見たくはないから。 戦う宿命を背負っているとはいえ、泣かせたくはなかった。 提督「読んで、ない」 大淀「任務も、日勤のものばかり」 提督「はい」 高速修復材と資材の備蓄以外に興味はなかったから。 航空機を使った偵察や攻撃を行う、艦隊の要として、常に前線に立った。 先制攻撃による敵戦力の削減、これにより劇的に被害が減った。 だが、徐々にその効果が下がった。 理由ははっきりしている。 自分達が軽空母であること。 搭載機が少なすぎるのだ。 提督は言う。 「お前たちのおかげで助かっている」と。 敵陣深く進むことができなくても、笑顔で迎えてくれた。 全力を尽くす。 でも、足りない。 だから、自分のコネを最大限に利用して、正規空母に来てもらった。 赤城と加賀だ。 なぜか一緒に翔鶴と瑞鶴も来たが。 それでも自分たちは前線のままだ。 「龍驤と鳳翔さんが行ってくれないと、安心できないよ」 あの照れ笑いに、自分たちはやられたのだと思う。 ほめてほめて、と甘える至福の時間。 自分の店で肩を寄せ合い、酌をし合う小さな幸せ。 多数の搭載機による集中攻撃で貫けない海域など無かった。 後輩が着任した。 新型故の高性能ながら、練度不足による未熟も目立った。 心配だった。 慢心は良くないと厳しく指導した結果、嫌われてしまった。 好かれるのは仕方ないと諦めた。 でも指導はやめなかった。 心配だったからだ。 ある作戦で奇襲を受けた。 偵察を疎かにした結果だろう。 慢心していたのは自分だったのだ。 そして修復できない被害を受けた。 赤城は片目の視力を大きく下げ、加賀は搭載機の減少。 退役を促された。 もう、役立たずだった。 そんな時、旧友からの手紙が届いた。 助けて欲しい、と。 逃げるように転任した。 正規空母としての戦果には到底足りない。 だが、それを責めることも無く、提督は照れ笑いで労ってくれる。 「貴方達のおかげで、本当に助かっていますよ」 朽ちるしかなかったこの体に、新しい居場所をくれた。 その恩は返したい、返さなければ、返させろ。 その笑顔もついでにいただきます。 赤城「行きましょう」 加賀「そうね、さすがに気分が高揚します」.

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