国債 と は。 国に貸して少し増やせる「国債」 銀行より証券会社で買うのが賢いワケとは?

国債買入れ : 日本銀行 Bank of Japan

国債 と は

はじめに とは何でしょうか。 国の借金? それは全く違います。 日本という国全体ではむしろ他国に貸し付けているのであり、借金はしていません。 政府の借金? 国の借金という答えよりはずっとマシですね。 しかしそれも違うと私は言いたいのです。 お金とは何か まず「お金とは何か」というところから話を始める必要があります。 ほとんどの人は、お金を何か価値のあるモノだと捉えていると思います。 10,000円の価値のあるモノと交換に一万円札を出せばそのモノを買うことが出来るのですから、一万円札は10,000円分の価値のあるモノだと考えるのも当然のことです。 しかし、本当はそうではないのです。 一万円札それ自体には価値はありません。 より正確に言うなら、一万円札には使用価値がありません。 一万円札を食べることも出来ないし、何か便利な道具として使うことも出来ませんよね。 せいぜい、折り紙のようにして遊ぶか、丸めてドラッグを吸うかぐらいでしょう。 文字通り、一万円札は紙切れにすぎないわけです。 それにもかかわらず、一万円札は10,000円分の価値があるモノやサービスと交換することが出来ますよね。 これをどう捉えればいいのでしょう。 一万円札には購買力(=交換価値)がある 使用価値のあるモノと交換することが出来ることを、交換価値があると言います。 紙幣には交換価値があるわけです。 「一万円札には使用価値が無いが交換価値はある」 こう言えば、素直に納得できるでしょう。 私は使用価値のことを単に「価値」、交換価値のことを「購買力」と呼びます。 つまり、「一万円札には価値が無いが購買力はある」というわけです。 なぜこのような言い換えをするのかと言うと、「交換価値」という言葉を使うと「紙幣にはやはり何らかの価値がある」という印象を与えてしまうためです。 ただの紙切れなのに価値が生じるのはどうしてだろう、どんな魔法が使われているのだろうと思ってしまうでしょう。 違うんです。 紙幣に価値はありません。 ではなぜ価値が無いはずの紙幣で買い物が出来るのでしょうか。 なぜ紙幣で買い物が出来るのか この問いに対する答えは色々ありますが、私ならまずこう答えます。 「我々はそういうルールのゲームをやっているから」です。 紙幣でモノが買えるのは、そういうルールのゲームだからです。 というゲームで考えると、ゲーム内で使っている紙幣に価値が無いことは誰でも分かりますよね。 それでもその紙幣で土地や会社を買うことが出来る(つまり紙幣に購買力がある)のは、そういうルールだからです。 我々が使っている日銀券に価値が無いのに購買力があるのも、そういうルールのゲームをやっているからです。 仮に貴方が物心ついた時にのゲーム世界の中にいて、死ぬまでゲームの外に出ることは出来ないとしましょう。 その状況で、ゲーム内にいる親や教師にゲームのやり方を教えられたとしたら、使われている紙幣には価値があると信じたでしょう。 そういうことなんです。 紙幣に価値はありませんが、それにもかかわらず、紙幣には購買力があります。 そういうルールだからです。 ルールは強制されているのか ルールを文言にすればこんな具合です。 「あなたが提供するモノやサービス、労働と引き替えに日銀券(という紙切れ)を受け取りなさい」 私たちは、このルールをムリヤリ強制されているのでしょうか。 嫌々ながら、ルールだから仕方なく紙切れを受け取っているのでしょうか。 違いますよね。 私たちは喜んで日銀券を受け取ります。 価値の無い紙切れだとは思ってなくて、確かに10,000円分の価値が一万円札にはあると考えているんですね。 それは、一万円札を持っていればいつでも10,000円分の価値があるモノやサービスと交換できると信じているからですよね。 言い換えると、一万円札の購買力が近い将来、急に半分になったりゼロになったりせず、同じぐらいの購買力を持ち続けると信じているからです。 なぜそう信じられるのか。 今までもそうだったという実績があるから、これからもそうだろうと信じている部分もあります。 また、皆がそうだと信じているから、自分もそう信じられるということもあります。 要するに、「紙幣には価値がある」というのは(フィクション)なのですね。 実際には紙幣に価値(使用価値)はありません。 それに対し、「紙幣には購買力がある」というのはルールであり、です。 日銀は購買力を作り出せる 日本のであるは、日銀券という(価値は無いが)購買力のある紙切れを作り出すことが出来ます。 なぜそんなことが出来るのかと言えば、そういうルールだからです。 どのように作るかと言うと、の残高という数字を増やすことで作り出すのです。 の表現を使うと、「ゲームセンターの店主がゲーム機の中にあるボタンを押してクレジットを増やすようにして」日銀というお金を作っているということです。 政府も購買力を作り出せる 一方、政府()も購買力を作り出すことが出来ます。 分かりやすいのは硬貨ですね。 五百円玉を一枚発行すると、30円分ほどしか価値が無いのに500円分の購買力がある金属片を作り出すことが出来ます。 素材の価値を無視すれば、日銀券を発行するのと全く同じことです。 政府は硬貨の他にも、購買力のあるものを作ることが出来ます。 それはです。 は、それ自体には価値が無いが購買力があるという点で、日銀券(や日銀)と等価な紙切れです。 はそのまま買い物には使えませんが、いつでも日銀券と交換できますから、と日銀券は等価な紙切れなのです。 額面百万円のは百万円札のようなもので、これと一万円札100枚との交換は両替だと言えます。 統合政府が作り出せる購買力 (日銀)と政府を合わせて統合政府と呼ぶことにすると、統合政府は(価値は無いが)購買力のあるものを数種類作り出すことが出来ます。 日銀券(日銀部門が発行)• 日銀(日銀部門が発行)• 硬貨(政府部門が発行)• (政府部門が発行) 上記のものは全て等価ですので、お互いに交換することが出来ます。 政府がをする際には、政府が(の一種)という形で購買力を作り出し、日銀が日銀という形で購買力を作り出し、この二つを交換します。 これによって政府は政府預金口座に残高を得て、この政府預金でがなされるわけです。 日銀券、日銀、硬貨の3つを貨幣と呼ぶことにしましょう。 は貨幣と等価ですから、貨幣等価物と呼ぶことにします。 まとめると「統合政府は貨幣または貨幣等価物という形で購買力を作り出すことができる」ということになります。 日銀が作る購買力は全てクレジット 先ほど、日銀は日銀というお金を「ゲーセンの店主がゲーム機の中のボタンを押してクレジットを増やすようにして」作っているという話をしました。 つまり、日銀というのはゲーム機のクレジットと同じようなものなんです。 ゲーム機のクレジットは数字にすぎないですよね。 それと同様に、日銀も数字にすぎないのです。 さらに、日銀券というのは日銀という数字の一部を紙切れに移したものです。 紙切れに移すことで、数字を手渡しで他の人に渡すことが出来るようになります。 ゲーム機のたとえで言えば、クレジットが1だけ残った状態で帰ることになった客が、店主に頼んで別の日にこのクレジットを使えるように店主のサイン付きでメモを書いてもらったようなものです。 このメモは後日店に来て1クレジットに替えることも出来ますし、他の客に手渡して1クレジットの権利を譲渡することも出来ます。 このメモには1クレジットが宿っていると言えるわけです。 同様に、一万円札という紙切れには10,000円分のクレジットが宿っています。 結局、日銀券も日銀と同様に日銀が作ったクレジットであり、数字にすぎないということです。 政府が作る購買力も全てクレジット 政府が発行する硬貨にも同じことが言えます。 五百円玉を発行する際に政府は、「ゲーセンの店主がクレジットを増やすようにして」500円分のクレジットを作り出し、そのクレジットを即座に金属片に移すということをやっているのです。 ゲーセンのたとえで言うと、店主がメダルを1枚用意して、このメダルに1クレジットを付与したことにするのと同様です。 客がこのメダルを店主に渡せば1クレジットと交換することが出来るのですから、メダル1枚には1クレジットが宿っているわけです。 それと同様に、五百円玉1枚には500円分の(政府が発行した)クレジットが宿っています。 つまり、五百円玉を始めとする硬貨(に宿っている額面分の購買力)も政府が作ったクレジットだと言えます。 また、も政府が作るクレジットです。 はペーパーレス化されていて券面はありませんから、日銀と同様に帳簿上の数字にすぎません。 つまりもクレジットです。 が券面だった時代も同じことです。 日銀券や硬貨と同様に、政府がをクレジットとして作ったのと同時に紙切れに載せているのです。 統合政府は購買力を無から作り出せる 日銀は日銀券や日銀という貨幣を「ゲーセン店主がゲーム機内のボタンでクレジットを増やすようにして」作り出すことが出来ます。 同様に、政府は硬貨という貨幣やという貨幣等価物を「ゲーセン店主がゲーム機内のボタンでクレジットを増やすようにして」作り出すことが出来ます。 統合政府は貨幣やという形で購買力を無から作り出すことが出来るということです。 無から価値を作り出すことは誰にも出来ませんが、統合政府は無から購買力を作り出す力を持ってるのです。 なぜなら、そういうルールだからです。 の償還について そんなこと言ったって、は債務なんだから返済する必要があるだろう、返済しなきゃいけないんだから借金に違いない、という意見もあるでしょう。 の返済(償還)はもちろんします。 しかし、何を返済するのでしょうか? 返済するものは貨幣、すなわち統合政府発行の購買力です。 統合政府が、統合政府発行の購買力を渡すにはどうすればいいか。 もちろん、統合政府が購買力を発行して渡せばいいのです。 これは返済というよりも、等価物の交換ないし両替です。 統合政府は、我々がイメージしているような「借金の返済」はしないのです。 を借金と言うと誤解を生むのであり、借金と呼ぶべきではありません。 : もちろん個々には借金もあるでしょうが、差し引きした合計では貸している側です。 : この記事で紙幣と言っているのは全て不換紙幣のことです。 : 生きているうちにゲームから出ることも不可能ではありません。 他人との関わりを絶って山に入り、二度と戻らないと決意した人はゲームから出たと言えるでしょう。 その人は日銀券に全く価値が無いことに気づきます。 : 貨幣がフィクションであることには「サピエンス全史」でユヴァル・ノア・ハラリ氏も言及しています。 : ルールが徹底されていることによりが成り立っていると言うべきか、が成り立っているからルールが守られていると言うべきか。 それはどちらでもいいでしょう。 : 現在ではは電子化されているため紙切れではありませんが、券面の方がイメージしやすいためこのように表現しています。 : もちろん違いはあります。 にはが付きますし、期限が来たら日銀券ないし借換債と交換される特約が付いています。 : 1998年度までは(の前身である)のほとんどを日銀が引き受けていましたが、1999年度以降は原則的に市場での公募入札方式になりました。 しかし日融機関との間で売買ができる以上、その本質は変わりません。 : 何かズルいような気がしますか?別にズルくないです。 により受益するのは国民ですから。 もし政府や日銀の中に私腹を肥やす人間が居ればズルいですが、それはまた別の話です。 : ゲーム機のクレジットは店主がクリアします。 : 多くの場合、借換債を発行して貨幣と交換し、それで得た貨幣を償還すると交換します。 : 余談になりますが、のはどうでしょう。 は統合政府が者に支給するボーナスであり、として渡すものは貨幣、つまり統合政府発行の購買力です。 やはり、統合政府が購買力を発行して渡すだけのことです。 tamurin7.

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国債とは?そのメリットやデメリット、買い方まで全て解説します

国債 と は

念頭においておこう!個人向け国債の信用リスク 2018年7月末に、日銀の黒田総裁が金利上昇を容認すると解釈できる発言をしたことを受け、長期金利は上昇の兆しを見せています。 個人向け国債の金利も上昇し、9月発行(8月募集)の「変動10年」の金利は0. 09%(税込)で、2年7カ月ぶりの高水準になりました。 個人向け国債の魅力が高まりつつあります。 この記事では、個人向け国債で儲け損なわないための心得として、 「選び方」「中途換金のルール」「金利動向に即した対応」の3つを解説します。 その前に知っておいてほしいのは、債券投資では発行元の信用度が重要だということです。 個人向け国債の場合、発行元である日本政府の信用度について見極めなくてはなりません。 日本が財政破綻して約束通りの金利や元本を支払えなくなる(デフォルト、債務不履行)というのは一大事。 そうそう簡単に起きることではありませんが、資産運用の基本情報として「信用リスク」という言葉は頭に入れておきましょう。 個人向け国債。 いまならどのタイプを選ぶ? 今なら変動金利型がおすすめ 個人向け国債には、金利が半年ごとに見直される「変動10年」と、満期まで金利が変わらない「固定5年」「固定3年」の3種類があり、それぞれ毎月発行されています。 2018年8月発行分の金利は、変動10年は0. 09%(税引き後は0. 05%(税引き後は0. 100万円分買ったとして、受け取れる金額は398円または717円。 小学生のおこづかいにもならないような金額です。 それでも一般の定期預金金利に比べるとマシな金利です。 このような状況ではどのタイプを選べばよいのでしょうか。 当面使わないお金を預けるのであれば「変動10年」がいいでしょう。 購入時点でもっとも金利が高いだけでなく、今後、市場の金利が上昇した時に、変動10年の金利も上がっていくからです。 一方の固定5年・3年は市場の金利上昇についていけず、儲け損なってしまいます。 市場の金利が下がれば変動10年の金利も下がりますが、個人向け国債の金利は0. 05%が下限と決められていますので、固定5年・3年より不利になることはありません。 個人向け国債の中途換金にはペナルティー 個人向け国債の中途換金にはペナルティーのようなものがかかることも、覚えておかなくてはなりません。 その内容は「直近2回分の金利に相当する金額が、戻ってくるお金から差し引かれる」というものです。 固定5年・3年はいつ換金しても差し引かれる金額は同じですが、変動10年は金利が高い時に換金するほど、差し引かれる金額も高くなります。 では、数年後にお金を使う予定がある場合を考えてみましょう。 もしも変動10年の金利が固定5年・3年よりもだいぶ高いのであれば、中途換金時に高いペナルティーを払うことになったとしても変動10年を購入したほうが得になります。 固定5年と、変動10年を5年後に中途換金する場合とで比べても同じ結果です。 しかし、一カ月前の2018年8月発行分では、固定3年を購入したほうが得という試算結果でした。 黒田総裁発言までは、金利上昇が見込めない状況で、変動10年と固定5年・3年に金利差が無かったのです。 金利天井圏での長期固定金利型への切り替えは重要! お金の預け先を選ぶときの基本は、「低金利の時は、期間の短い固定金利型商品または変動金利型商品。 そして金利が上昇して天井圏になったときに長期の固定金利型商品に切り換える」というのが基本です。 特に高金利の状況での長期運用では(預け先によっては複利効果も加わって)、少しの金利差でも将来大きな受取額の差になります。 しかし、変動10年の場合、金利が高くなった時に中途換金するほどペナルティーの金額が大きくなります。 「長い間、少しの利息しかもらってこなかったのに、中途換金に必要な費用は直前の最も高い利息相当分」ということになると、換金することに抵抗感が生まれます。 どうしてもという理由でもなければ、途中で換金することができないのが一般的な心理ではないでしょうか。 儲け損なわないためには、ここで冷静に判断して行動することが大切です。 中途換金のペナルティーが嫌だからと満期まで保有した場合、保有している間に金利が下降に転じて、満期が来たときには既に市中金利が低い水準になっているというケースも考えられます。 その一方で、超低金利の状況では、少しの金利の差に頭を悩ませ労力をかけて預け換えをしたとしても、受取額がびっくりするほど異なる!ということにはならないのも事実。 預け換えのコスト(振込料・交通費など)で、わずかな利益が吹っ飛ぶこともあります。 ペナルティーを払ってでも固定金利商品に乗り換えたほうがメリットがあるかどうか……そこを理性的に判断して行動に移せるかが重要になるでしょう。 金利の動向を確認し、必要な行動をとりましょう 金利の見通しが外れることも想定する 資産運用において、選択はひとつである必要はありません。 金利が上がるという見通しを立てて変動10年を買うと決めた場合でも、見通しが外れることも考慮して固定5年や3年も併せて買っておく、という買い方もあるでしょう。 中途換金したほうがいいと判断した場合でも、半分だけ換金して残りは満期まで保有するという方法もあります。 どんな事態も想定済みであれば、混乱することなく、また当初の行動について後悔することもなく、対応することができるのです。 【関連記事】•

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コロナ対策に日銀も動いた 「国債買い入れ枠」撤廃で未知の領域へ: J

国債 と は

国が上の理由からを調達するために発行する。 目的別に分類すると、のための、不足を補うための 、既存債の借り換えのための、財政の一時的な不足を補うなどがある。 償還期間は最短3カ月の短期証券から最長30年の超長期債まで。 発行残高は2007年9月末現在で675兆円、GDP比1. 3倍に達した。 こうした財政事情を反映して国際的には- ダブルエーマイナス。 なお、個人の資産運用対象として10年変動、5年固定金利の個人向け国債が発行され、人気を集めている。 熊井泰明 証券アナリスト / 2008年 出典 株 朝日新聞出版発行「知恵蔵」 知恵蔵について の解説 国が発行する。 法律に基づいて発行され、と()に大別される。 発行目的別では・・に、によって・・・に、利払い方法によって・に分類される。 短期国債は割引国債、それ以外は利付国債として発行されている。 発行方式では、によって機関投資家などに販売される市中発行方式、個人を主な対象とする発行方式(と)、公的部門発行(がを引き受ける日銀乗換など)に大別される。 [補説]国債の価格と利回り(金利)は、価格下落なら金利上昇、価格上昇なら金利下落という関係にあり、通常、景気が後退する場面ではリスクの少ない国債が買われるため、国債の価格上昇、金利下落となることが多い。 国債が大量に発行されると、の、の上昇を招き、企業の借入金利や住宅ローン金利の上昇につながる場合がある。 出典 デジタル大辞泉について の解説 財政上必要なのをおぎなうために発行する債券をいう。 に対する。 では,郵便貯金,供託金,賠償などの国家による財政以外の諸活動によって生ずる債務(行政または政務国債)も含めるが,一般的には国の発行する債券をさす。 使用目的により建設国債,赤字国債,借款国債,に分類され,償還期限の長さで短期・中期・長期など数種が発行されている。 日本引受けによる発行および日本銀行からの借入金は特別の事由があり,しかも国会の議決を経た金額内でのみ認められている。 なお日本の国債発行残高は2005年12月末の時点で663兆7743億円であり,2000年末時点の372兆円から5年間で300兆円近く増加している。 一時的な資金不足を補うため、一会計年度内で履行される政府短期証券(FB:Financing Bills)を含む場合もある。 なお、政府短期証券は2009年(平成21)2月より(:Treasury Bills)との統合発行を開始し、国庫短期証券(T-Bill:Treasury Discount Bills)という統一名称で市場において発行・流通しているが、制度上の位置づけは別のものである。 各種の国債や政府短期証券は、一部を除き発行限度額が毎年度の予算総則において設定されている。 国債はおもに財源調達を目的とするものであるが、このほか、国の支払い手段として発行されるものもある。 それが、交付国債である。 戦没者遺族などへの弔慰金等のかわりとして交付される狭義の交付国債や、交付国債の一種として国際通貨基金(IMF)など国際機関への出資や拠出にかえて発行される出資・拠出国債、株式会社日本政策投資銀行危機対応業務国債や原子力損害賠償・廃炉等支援機構国債がある。 [浅羽隆史] 財政と国債国債には、数多くの種類が存在する。 国債をあくまで予算上の財源の補填 ほてん 手段と考えれば、発行する会計による区分と、それぞれの国債の役割が重要である。 一般会計の財源調達として発行する国債は、新規財源債とよばれる。 新規財源債は、根拠法と使途により、建設国債と赤字国債に分けられる。 建設国債は財政法第4条に基づき発行されるため、4条国債とよばれることがある。 一方、赤字国債の根拠法は特例法であるため、特例国債とよばれることがある。 かつては赤字国債の発行にあたり毎年度特例法を制定していたが、2012年度の途中からは複数年度にわたり適用される特例法に基づいて発行されている。 新規財源債は狭義の国債であり、国債発行額の目標を設定する場合など、とくに断ることなく新規財源債をさすことがある。 一般会計が発行する国債には、財政法第7条に基づく財務省証券もある。 これは、国庫の日々の資金繰りをまかなうための政府短期証券であり、当該年度の歳入で償還し利払費を除いて予算計上されない。 特別会計でも国債を発行する。 国債の償還等の経理を行う国債整理基金特別会計では、毎年度多額の国債の満期が到来する。 こうした国債のすべてを償還して終わる(現金償還)のではなく、多くはふたたび国債を発行して借り換える(借換 かりかえ 償還)。 国の債務が増加するわけではないので、これを借換国債といい、通常は借換債とよんでいる。 財政投融資に関する経理を行う財政投融資特別会計でも、国債を発行している。 それが財政投融資特別会計国債であり、財投債とよばれる。 財投債は、財政融資資金から政府関係機関や独立行政法人などの財投機関に貸し付ける原資となる。 財投債の返済は原則として事業収益などであり、税を用いないことを前提としているため、建設国債、赤字国債、借換債といった普通国債とは峻別 しゅんべつ される。 借換債と財投債は、特別会計法に基づき発行される。 財政投融資特別会計では、財政融資資金法を根拠として、政府短期証券の一種である財政融資資金証券も発行している。 また、東日本大震災復興特別会計においても、復興財源確保法に基づき復興債が発行されている。 復興債は2011年度補正予算(第3号)に限り一般会計で発行されたが、翌年度から特別会計での発行に変わった。 このほかの政府短期証券として、外国為替 かわせ 資金特別会計の外国為替資金証券、食糧管理特別会計の食糧証券、エネルギー対策特別会計では石油証券と原子力損害賠償支援証券がある。 これらの政府短期証券は、特別会計法を根拠とし、原則発行年度中の償還が必要であるが、現実には外国為替資金証券、食糧証券、石油証券において、年度越の残高が恒常的に存在する。 [浅羽隆史] 国債管理政策政府は、財源の確保のために国債を安定的に消化するとともに、将来の国民負担を減らすために低金利で調達しなければならない。 そのために実施される諸施策を、国債管理政策とよぶ。 日本における国債管理政策の一つとして、毎年度の国債発行計画の策定がある。 国債発行計画では、予算編成にあわせて、国債発行予定額、カレンダーベース市中発行額、政府保証債発行予定額などを公表している。 計画作成にあたっては、「国債市場特別参加者会合」や「国の債務管理の在り方に関する懇談会」はじめ各種懇談会等を通じた市場との対話が重視されている。 発行市場における安定した消化のため、2004年10月に国債市場特別参加者制度、いわゆる日本版プライマリー・ディーラー制度が導入されている。 これは、一定の条件を満たす証券会社などに特別な資格を付与する一方、応札・落札責任を課すことで、国債の安定消化や流動性確保などを目的としている。 そのほか、海外IR(海外向けインベスター・リレーションズ)の実施などによる国債保有者層の多様化が図られている。 起債に際しては、発行する場所を国内か国外か考えなければならない。 国内で発行される国債を内国債(内債)、海外で発行される国債を外国債(外債)という。 ただし、日本国政府による外国債の発行は、1968年度(昭和43)以降は行われていない。 また、1988年度に最後の償還を終え、2018年度時点では残高においても外国債はなくなっている。 次に、消化方式の割り振りも重要である。 消化方式は、市中発行、個人向け、公的部門に分けられる。 市中発行とは、市中金融機関などに公募入札等で発行することをいう。 市中発行には、財務省が提示した発行条件に対し入札参加者が落札希望価格(または利回り)と落札希望額を入札しそれに基づいて発行価格と発行額を決定する価格(利回り)競争入札、価格競争入札における加重平均価格を発行価格とする中小入札参加者向けの非競争入札、国債市場特別参加者にのみ参加資格が認められる第 非価格競争入札および第 非価格競争入札がある。 個人向けは、国債保有者層の多様化を図る一環として個人のみを対象に発行するもので、個人向け国債と一般の利付国債についての新型窓口販売方式があり、さまざまな金融機関で販売されている。 公的部門とは、日本銀行が消化するものである。 財政法が例外として認めている日本銀行保有国債の償還額の範囲内に限定して借換債を引き受けている。 これを一般的には、乗換引受とよぶ。 [浅羽隆史] 市場における国債発行する会計や根拠法が異なっても、金融商品としては市場で区別なく取引されている。 そのため国債市場では、金利や償還期間での区分が重要である。 まず、金利等については、大きく利付国債と割引国債、そして割賦償還制国債に分けられる。 利付国債とは、利子を一定期間ごとに支払い、満期時には額面金額で償還する国債のことである。 利子の支払いは、通常は半年ごとに行われる。 一方、割引国債は、あらかじめ金利相当分を額面金額から割り引いた価格で発行し、途中での利払いは行わず、満期時に額面金額で償還される国債である。 そして、無利子の割賦償還制国債は交付国債に限られる。 利付国債は、さらに固定利付国債、変動利付国債、物価連動国債に分けられる。 固定利付国債は、利率そして利子の金額がすべての利払いにおいて同一の国債である。 変動利付国債とは、市場の変動に応じて金利が変化する国債のことである。 利率は利払いごとに改定される。 物価連動国債は、元金額が消費者物価の動向に連動して増減する。 たとえば、物価連動国債の発行後に消費者物価指数が上昇すれば、その上昇率に応じて元金額が増加する(増加後の元金額を想定元金額という)。 償還額は、償還時点での想定元金額となる。 利子の額は、各利払い時の想定元金額に表面利率を乗じて算出される。 表面利率は発行時のもので固定されるため、物価上昇により想定元金額が増加すれば利子の額も増加する。 国債が発行されて償還されるまでの償還期間では、4区分が通常である。 償還期間20~40年のものを超長期国債、10年を長期国債、2~5年を中期国債、そして2か月~1年のものを短期国債とよぶ。 [浅羽隆史] 日本の国債の歴史日本初の国債発行は、鉄道建設のため1870年(明治3)にロンドンで募集したポンド建て国債であった。 金利は9%で償還期間13年、関税収入を担保に鉄道収益を付加的担保としていた。 その後、旧藩の債務処理のための国債発行などを経て、日清戦争(1894~1895)、日露戦争(1904~1905)、日中戦争(1937~1945)といった戦費調達のための国債発行が目だつようになる。 そして、第二次世界大戦(太平洋戦争。 1941~1945)によって、経済規模を上回る残高を抱えることになり、戦後の激しいインフレーション(インフレ)の原因となった。 第二次世界大戦後に財政法が制定され、そのもとで初めて策定された1947年度の予算から1965年度当初予算まで、財政法第4条の国債不発行主義を遵守し、交付国債などを除き、財源調達のための国債は発行しなかった。 ただしこの時期、地方公共団体では建設地方債はもとより、年度によっては赤字地方債も発行されていた。 財政法施行後初の国債発行は、1965年度補正予算であった。 前年度の1964年度に東京オリンピックが開催され、高度経済成長期前半期のピークを迎えた。 1965年度予算の策定では税収の伸びを高く設定していたが、景気は落ち込み、予算で見込んだ税収が不足した。 そこで、補正予算で赤字国債を発行した。 そして翌1966年度には、当初予算から建設国債を発行し国債発行政策に転換した。 建設国債はそれ以降、発行が続けられている。 国債発行政策に転じたものの、1973年の第一次オイル・ショックまで高度経済成長が続いたことなどから、1974年度まで赤字国債は不発行であった。 建設国債の発行額についても、抑制の効いたものであった。 ふたたび赤字国債が発行されたのは1975年度補正予算で、その後の赤字国債の恒常的発行と同時に、国債全体の発行規模が急増し、大量発行時代に突入した。 この背景には、高度経済成長の終焉 しゅうえん により税収の伸びが縮小する一方、新全国総合開発計画(新全総)に基づく大規模事業実施や児童手当制度導入など歳出の拡大傾向があった。 こうした国債発行の膨張に対して財政再建が求められるようになり、赤字国債発行ゼロが目標に据えられた。 そして、1980年代後半のバブル景気による税収増が、1991(平成3)~1993年度の赤字国債新規発行ゼロをもたらした。 しかしそのときすでにバブルは崩壊しており、ふたたび国債発行が拡大した。 それをさらに加速させたのが、IT(情報技術)バブルがはじけ、アジア通貨危機(1997)に対する景気対策を打ち出した、1998年度補正予算であった。 そこでは当初予算の2倍強の国債が計上され、歯止めなき国債発行とよばれるようになった。 いざなみ景気(2002~2008)と構造改革などにより、国債発行は2005年度から減少傾向に転じた。 しかし、リーマン・ショックに端を発した世界同時不況により、2008年度からふたたび国債発行は増加に転じた。 とくに景気対策に伴う2009年度補正予算では、歯止めなき国債発行の時期の水準を大きく上回り、一般会計の財源として国債は税をしのぐ規模になった。 その後、一般会計における国債発行は緩やかな減少傾向になったが、国際的にみて高水準の国債発行額と最高水準の国債発行残高を抱えている。 2018年度当初予算では、一般会計の国債発行額は建設国債が6兆円、赤字国債が28兆円である。 このほか、借換債103兆円、復興債1兆円、財投債12兆円となっている。 そして、2018年度末見込みの国債発行残高は、建設国債273兆円、赤字国債604兆円(年金特例国債などを含む)、復興債6兆円、財投債94兆円となっている。

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