宮田 裕章 教授。 新型コロナ対策で重要性増すパーソナルサポートと「隠れクラスター」発見

コロナと闘う「データ医療」の最前線 神奈川医療プロジェクト顧問・宮田裕章教授に聞く Withコロナで変わる国のかたちと新しい日常

宮田 裕章 教授

新型コロナウイルスの感染拡大で、私たちの生活、国や企業のかたちは大きく変わろうとしている。 連載企画「Withコロナで変わる国のかたちと新しい日常」の第4回は、新型コロナウイルス対策において注目されている「データ医療」を取り上げる。 厚労省クラスター班や自治体と連携し、LINEによる健康データの分析を行う慶應義塾大学医学部の宮田裕章教授に、コロナ対策からアフターコロナの新しい日常の姿まで、ロングインタビューを行った。 このきっかけは何だったのですか? 宮田氏: 日本におけるクラスター対策の要である積極的疫学調査は、素晴らしいクオリティですが、紙ベースで行っていたためある程度以上の規模になると難しいと感じていました。 また感染が拡大フェーズに入って、感染経路を追跡できなくなった時に、「把握されている陽性患者」の外側で何が起こっているかを知る必要があるだろうと考えました。 そのために、すでに広まっているインフラを使って即効性のあるサポートを行い、対策を打つために必要なデータも取れないかと、LINEの方々やクラスター班の北海道大学西浦教授らとも話をして、このプロジェクトをやろうということになりました。 宮田氏: LINEのユーザーは全国で8300万人いますが、プロジェクトは2つあります。 1つは都道府県が主体となって1人1人のユーザーに対して継続的にサポートしていくというものです。 既に370万人以上のユーザーの方々にお使い頂いています。 もう1つは厚労省が主体となった全国調査で、全8300万人のユーザーを対象にこれまで4回行いました。 この2つのデータを使いながら、現状を把握しています。 グループ別の発熱者の割合における都道府県ごとの分布が下の図です。 その県の発熱者が一番多い(リスクが高い)順と、それぞれの職業ごとの発熱割合を追ってみると、グループ間で大きな違いが見られます。 まず大事なのはグループ5の3密や社会的距離を取ることができるグループです。 これは在宅勤務が実施可能なデスクワークや、専業主婦の方々のグループのデータです。 家にいることができる人たちは、地域全体の発熱リスクが上がっていっても、横ばいのまま。 つまり、特に緊急事態宣言下にあるような状況では、「不要不急の外出を避けること」、「家にいること」が、感染リスクを下げ、社会を守ることに重要であることがデータからも示されました。 一方で、他の職種と比べて人と接触する頻度が高いグループ1「長時間の接客を伴う対人サービス業や、外回りの営業職」は高い割合でリスクが上昇しています。 3月の段階で日本が行っていた自粛は、レジャーや遊びを目的とした外出を控えるが仕事は一生懸命を行う、というものでした。 しかし新型コロナウイルスの感染という側面においては、3密回避や社会的距離の確保が難しいこうした職種が一生懸命働いてしまうことで、その人々が健康リスクにさらされ、感染が広がってしまうのです。 東京の感染者の多い地域に絞って検討すると、こうした職種の人々の発熱割合は全国平均の5倍近くなっていました。 より高いリスクに晒されている方々をリスクから守り、社会全体に感染を広げないようにする対策を行わなければ、今後も感染拡大や感染爆発を抑えることは難しいといえます。 全国調査に関しては、LINEと厚労省と協定を結びLINEから提供されたデータは厚労省が分析します。 個人情報保護法に従った取り扱いをすることはもちろんですが、公表されている利用目的を超えた活用はできません。 また、一定期間が過ぎたら削除することにもなっています。 今回の調査は公的な目的以外には使わないということです。 宮田氏: 現状日本で使われている携帯の位置情報は、匿名化されたものなので、個人が特定される可能性はかなり減じられています。 一方で中国、韓国、台湾は踏み込んでいますね。 つまり今小康状態に持ち込めているこの3つは、すべて携帯のGPSを使っているということです。 特に中国では、陽性者が出たら、「3日前あなたはこの陽性者と同じ電車に乗っていました。 これから隔離します」というような連絡が当局からくるわけです。 宮田氏: シンガポールは、Bluetooth(ブルートゥース)の接触履歴を各個人の携帯に集積して、個人が同意した場合だけ情報が共有されるようにしています。 このアプローチはプライバシーに配慮した優れた方法ですが、一方で弱点があって、全国民のうち最低でも6割、願わくば8割以上が使っていないと効果を発揮しません。 そのような中で感染拡大も発生しています。 宮田氏: 欧米はこれからロックダウンをどう解除するか、かなり苦闘しています。 人の動きを目で追うのは相当厳しいので、次はテクノロジーを使わないとおそらくマネジメントは出来ないだろうと、クラスター班の方とも今話しているところです。 でもその時にどういうテクノロジーを使うかというのも、まさにこれからの議論です。 例えばプライバシーを保護したアプリを人々が入れるのを、ロックダウンの解除要件とするとかですね。 一方で、こうしたテクノロジーが無ければ、おそらくもっと強い社会制限の中で活動しないと感染が抑えられない可能性があります。 台湾では、国民に情報を開示し、信頼を得る中でGPSを用いたアプローチを活用しています。 プライバシー情報を使うから危険だと、思考停止するのではなく、どのような条件が整えば活用可能なのか?ということを考えることも重要です。 公的な目的に限定して、限られた範囲の情報を、限られた担当者が活用し、情報の活用履歴が検証可能である。 こうした条件を設定するなかで、対策を考える視点も必要なのではないかと思います。 ただ新しいテクノロジーやワクチンの完成という不確実な条件に期待するだけでなく、今ある手段の中でどのように闘っていくかも考えないといけないと思います。 感染症対策というのは、超監視国家の到来リスクと常に背中合わせになっています。 踏み込んだテクノロジーを使うにしても、これを正しく規制できるかという議論はしていかないといけないですし、これから詰めていきたいなと思います。 それこそ法的根拠があって封鎖ができる国、欧州の多くの国は罰金刑を科した上で外出制限や封鎖を行いました。 こうしたロックダウン政策によりフランスなどは、収束に向けた道筋が見えてきたのですが、日本には強力にロックダウンを行う法的基盤がありませんでした。 無ければ作ればいいと思うのですが、法律の専門家たちからは、数ヶ月の期間には間に合わないという意見が多かった。 では日本は、社会的封鎖を行う法的基盤が無い中で何したかというと、クリアな基準でのロックダウンではなく、自粛でした。 先述したような3月の感染拡大は、自粛という曖昧な基準の課題であったともいえます。 また曖昧な基準による、相互監視にも限界があります。 宮田氏: 同調圧力、ですね。 休業要請に従わない店の店名公表というのは、まさにそういうことですね。 日本が持っている同調圧力を、とにかくこの局面で使うしかないという切迫感の中での、首長たちの判断は理解できるところはあります。 感染拡大を抑えるために出来ることはしなければならないということで、効果があるケースと十分でないケースもありました。 科学者としてできるのはデータを用いて、曖昧に行われていた自粛の穴を塞ぐという作業ですね。 LINE調査の最初の意義の1つはこの点です。 宮田氏: LINE調査のデータからは、働き方や過ごし方によって感染症に対するリスクが大きく違うことがわかりました。 リスクに対してすごく脆弱な働き方については、ただちに対策が必要です。 長期戦が予想される新型コロナウイルスとの対峙においては、国は休業補償などのサポートを行うことで従業者と顧客の健康を守り、休業期間中に新しい営業の形を考えることが1つの方法だと考えています。 また、多くの業種では当面の間、今までと同じ業態で仕事を行うことは難しくなります。 それぞれの産業が「感染症に対応しながらどう働くのか」をデザインする必要があります。 つまり感染者の実態を捉えきれているかというと、必ずしもどの国もそうではない。 一時的な収束で感染を抑え込んでいる国であっても、無症候の患者の実態把握には非常に苦労しています。 世界各国で行われている抗体検査でも、把握された感染者数と、抗体保有率は常に開きがありました。 つまり見えている情報だけが全てではない、という前提で現実を考える必要があります。 一方で日本の場合は、PCR検査を当初絞りました。 今でも保健所へのアクセスなどを考えると、把握されているPCR陽性者数と実態にはある程度開きがあるだろうと思います。 ただいろいろなデータを見ていくと、収束に向かっている地域と、まだ予断をゆるさない状況が続いている地域があるのは確かであると思います。 日本でもやはり東京は厳しい状況が続いていますね。 緊急事態宣言下の人々の行動により、感染爆発を抑えることは出来たように見えますが、十分なスピードで収束に向かっているかについては議論の余地があります。 もうひとつ重要なのは、感染経路が見えていない人が多いということです。 感染経路が補足できない状況で油断をすると、感染が広がるリスクが高いので、減少傾向にあったとしても油断はできません。 ーー陽性率、死亡者数等、様々な調査結果、指標が存在しますが、宮田先生はどの指標を重視していますか? 宮田氏: 残念ながら今、これだけみれば大丈夫という、ゴールデンスタンダードとなる指標は無いと思います。 多角的にデータを組み合わせて判断することが必要です。 死亡者数についても亡くなった後にコロナだと分かったという事例が出てきています。 徹底的にPCR検査を行っていたとしても、無症候の患者を捉えることは難しい。 いろいろなデータをくみあわせながら、最善の手を考え続けることが重要ですね。 医療崩壊の定義とは何なのか? ーー宮田先生が顧問をされている神奈川県では、医療崩壊を防ぐため「神奈川モデル」という独自の軽症者らの隔離政策を行っています。 一方で他の地域では軽症者が自宅待機していて、重症化し、亡くなられるケースが相次ぎました。 こうした隔離方法については、どうお考えですか? 宮田氏: 重症者に病床を空けるという目的で、軽症者を自宅待機させるのは、短期的にはそうせざるをえないところもあったし、方向性としては正しいところもあったと思います。 しかし自宅であれば家庭内感染の懸念があります。 中国は最終的に個別隔離政策を取り、無症状の患者の隔離も始めています。 無症状の患者は感染力が弱いとWHOは言っていたのですが、中国の研究では感染力は同等だということです。 最近の日本の判断基準でも、発症2日前から感染力が強まっていると言われていています。 そういう点を考えたときに、軽症者の対応を考えることは、この先の長い道のりの中で重要になるかと思います。 神奈川モデルと言われる医療体制 ーー「医療崩壊」という言葉ですが、どんな指標をもって「医療が崩壊した」と定義づけるのですか? 宮田氏: インパクトの大きい言葉なので、医療崩壊とは何なのかという議論も、本来もっとしないといけないと思います。 まず言えるのは、ICUやECMOのキャパシティを、その時に必要とする重症患者の数が上回ってしまうこと。 あるいは病床を、コロナウイルスの患者が塞ぐことによって他の医療が行き届かなくなることです。 また、すでに感染者のかなりの割合を医療従事者が占めているのですが、多くの医療従事者が感染することによって医療体制が回らなくなるという状況も発生します。 さらに言えば、医療従事者の気力の問題です。 極めて過酷な状況にも関わらず休憩も取りづらく、多くの医療現場では一人で壁を向いて食事を取るなど、周りも自分も常に感染していると思って行動するというのが今の方針です。 プライベートを捨てて医療に身を投じる、という状況が長期化すればモチベーションを保つのが難しくなってしまいます。 医療従事者のモチベーションやストレスのマネジメントも重要です。 こうした点を総合的に把握し、医療システムと働き手を守ることが、国を守ることにつながるのです。 外出自粛が続きますが、出口をどこに置いたらいいと思いますか? 宮田氏: 例えば電車ではマスク着用を義務付けしたり、飲食店もいつまでも禁止ではなく、テイクアウトやデリバリーとともに、社会的距離を保てる環境で営業を行っていく。 業態や働き方ごとに感染対策をしっかりサポートしながら、社会活動を取り戻すシナリオが大事だと思います。 教育現場は3密の塊なので、これまでと同じような授業は出来ない前提で、オンライン教育を行いながら、登校日を分散するなど運用を続けていくことになると思います。 地域によっては、ピークアウトが見えているところもあるので、この辺りの緩急をどうつけていくかも重要ですね。 例えば首都圏は、どこかが緩むとそこが新しい感染源になったりするので、緊急事態宣言を解除するかどうかというより、どういうかたちで段階的に出口に向かっていくかを議論するべきだと思います。 「命が最優先」と政治の忖度を受けることなく主張するチームも、もちろん不可欠です。 一方でもう一つは様々なデータを使いながら、公衆衛生や経済、雇用や精神面など様々な影響を見ていくということも必要です。 スウェーデンはそうしたバランスの中で、あえてロックダウンを選びませんでした。 もちろん死亡者も多く、様々な批判もあるアプローチですが、今後の社会活動再開に向けて、一考の余地はあります。 宮田氏: どういうデータを集めれば、どういうことができるのか?ということをデザインする必要があります。 そういう役割を実践できるような人を入れていくことですね。 リスクコミュニケーションや次の感染拡大時に対応するための救急システムも含めた医療体制の構築、様々な視点が必要だと思います。 新型コロナウイルスについては、まだまだ分からないことが多く、当初の条件ではそこまで読み切るのは難しかったと思います。 ただ変化した状況に対応するかたちで、別のチームを作るのか、いまのチームを拡充していくのか検討をしていく必要があると思います。 たとえばインタビューは対面でやらなければいけないというのが、このように完全に崩れましたよね。 また「テレワークなんて認めない、俺の前で働けよ」みたいな企業が多かったですけど、それももはや無くなりつつある。 その時何が必要になるかというと、先ずはデジタルを徹底的に活用するということ。 さらに今までは就業時間や目の前で汗をかいているということで社員を見ていたのが、成果を軸に評価しないといけないわけですよね。 あるいは対顧客でいえば、データを使いながら、顧客体験にもっと踏み込んでいかないといいサービスはできなくなる。 こうした要素を持っているのがネットフリックスやアマゾンです。 ネットフリックスはまさにこれまでの映像作品づくりに対して、全く違う踏み込み方をしています。 視聴率だけではなく視聴満足度を取っていたり、F2層という捉え方ではなくて個人のユーザーのデータをとって、どの人にどういう作品を届ければ満足してもらえるのかという、詳細なデータを使いながら分析をして顧客体験そのものをデザインしています。 デジタルを前提にして仕事をしていくのは、あらゆる業界において必須になると思います。 宮田氏: ニューノーマルでよく言われていることですね。 ただ考えるべきことは、今までのノーマルって全てが素敵でしたでしょうか?よく考えてみるとすごく不合理なことが一杯あったと思います。 それこそ教育で考えると、なぜ同じ集団でずっと同じところにいるの?同じ教育を受け続けなければいけないの?と、よくよく考えると変ですよね。 オンライン学習で最高レベルの教育が受けることができるのであれば、住まいのあり方も変わってくるかもしれない。 いままでのノーマルを捨てざるを終えなくなったこの時期だからこそ、ニューノーマルに向けた一歩を踏み出していかないといけない。 次なる社会のビジョンを作ることができる組織、企業、国というのが、これから立ち上がっていく経済のリーダーになっていくのかなと思います。 ニュースに関しては、先程のネットフリックスの例が参考になると思うのですが、注目を集めるような扇情的な見出しで、視聴率やクリック数を稼ぐというところの先に到達する必要があると思います。 アクセスすることによって瞬間的な安心感、不安を解消できるという部分だけではなく、多くの人たちに深く納得を与えていくというものがもう少し評価される仕組みになるかもしれない。 コロナのニュースでも、ちゃんと踏み込んで現実を捉えていないと、それはただ単に恐怖の煽動でしか無かったということになります。 デジタルトランスフォーメーションに移行する中で、ユーザーの納得や持続する満足に踏み込むことのできる報道が信頼されるのではないかと思います。 単にフラッシュで情報を流すのではなく、アーカイブとしても蓄積される中で、コンテンツは継続的な評価を受ける。 これがブランドの信頼にも繋がっていく。 ユーザーとの信頼関係を作れるメディアが生き残っていくでしょうし、必要とされていくのかなと思いますね。 ありがとうございました。 【執筆:フジテレビ 解説委員 鈴木款】.

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宮田 裕章:日経ビジネス電子版

宮田 裕章 教授

新型コロナウイルスの第一波では、国のデータ活用の遅れが顕在化した。 第二波に向けた日本のデータ戦略とは?連載企画「」の第30回は、「データ医療」の最前線にいる慶應義塾大学医学部の宮田裕章教授に聞いた。 データアクセス権は基本的人権 データ医療の最前線にいる慶應大学医学部宮田裕章教授 今回のコロナ感染対策では、自治体がITやデータを駆使するケースがありました。 東京都は「新型コロナウイルス感染症対策サイト」を立ち上げ、した。 また、宮田先生が顧問を務める神奈川県では、を行った。 一方で国はマイナンバーの運用がうまくいかず、支給金の振り込みが滞るなどの課題も明らかになった。 ーーコロナで我々はデータ活用の重要性を、まさに身をもって知ったわけですね。 宮田氏: 今回コロナによって、世界中の人々がデータの大切さを実感したと思います。 日本はデータ活用の遅れで、マイナンバーが十分に運用できず、感染実態の把握にも遅れが生じました。 しかし、必要性は認識できたのではないでしょうか。 中国に代表されるような超監視国家が危惧されますが、台湾の成功例がアンチテーゼとなり、共産主義だから出来るのではなく、説明責任を果たせば信頼を得て情報を活用できることが示されました。 信頼とデータ活用を考える際、日本で決定的に足りないのは、国やプラットフォーマーからデータを引き抜き、共有できる権利、データアクセス権だと思います。 宮田氏: EUのGDPRは理念こそ正しかったものの運用には課題がありました。 個人の同意を得ないととデータを使えない状態になっています。 データは誰が持っているかではなく、どう使うかが大事です。 使うことによって価値が生まれるので、データを共有財として使える社会を作っていくことが必要だと思います。 その際に基本となるのが、社会がデータアクセス権を基本的人権としてみることです。 日本はこのあたりが曖昧なので、迅速に、権利として確立することが重要だと思います。 宮田氏: 海外のプラットフォーマーが「Data for Good」「AI for Social Good」=データやAIを活用した社会・人道支援を掲げはじめた背景には、GDPRのデータアクセス権があります。 なぜなら人々の信頼を得られないと、活動の主軸となるデータを使うことができなくなるからです。 しかしデータアクセス権が確立されていない地域は、プラットフォーマーはそんなことをする必要がないのですね。 いま日本はグローバルなトレンドの中で何となく恩恵を受けていますが、データアクセス権を確立させるかどうかは、今後の国の趨勢を大きく左右する、データガバナンスを考える上で1丁目1番地になるのではないかと思っています。 宮田氏: 新しい社会や経済を回すための資源が、データです。 GDPR以降の世界は、人々の信頼が無いとデータを使えなくなっています。 なので、GAFAは「AI for Good」「Data for Good」といい、中でもアップルはHealth(健康)、つまり未来の人たちがアップルを思い出した時に、人々を健康にする企業であるべきだといっています。 健康を軸にしながらGood(社会・人道支援)に貢献する大きな流れが、コロナの前に生まれていました。 宮田氏: GDPで世界が説明できないのはこれまでもいわれてきました。 モノを生む社会では所有することが豊かさの指標でよかったのですが、世界はすでにデータで動いています。 モノを作る企業が社会を回していない中で、モノの所有で測っても意味を持たないのが、データ社会が到来して以降真実味を帯びてきました。 また、経済至上主義で社会を駆動することの限界が様々な場でいわれる中、経済至上主義の「対抗馬」になったのが環境です。 そこに期せずしてコロナが到来した。 今後少なくとも短期的には、世界は公衆衛生や健康、そして環境とのバランスを考えながら社会を回していかなければならないだろうと思います。 宮田氏: SDGsはミニマムなところから始めたので、いくつかの先進国では多くの部分を達成しているといえます。 宮田氏: フェイスブックがリブラをつくるといった際には大反対がありましたが、スウェーデンがEクローネを、中国がデジタル人民元の開発を目指しています。 こうした流れの中で、アメリカも日本もデジタル通貨をつくらざるをえないのではないでしょうか。 デジタル通貨で一番重要なのはパーソナルデータであり、データの価値が通貨の価値に直結します。 このような背景の中で社会は経済合理性だけでなく、信頼やGoodを軸にしながら経済を回していく時代が到来しつつあると思います。 日本でも社会でデータを運用して、価値を創出できるようなシステムを作ることになるでしょう。 これはなぜかというと危機がすぐそこにあるからです。 歴史を振り返ってみても危機と対峙する中で、新しい文明が拓かれてきました。 EUでいうと、移民を積極的に受け入れるドイツのコスモポリタニズムは理念としては正論なのですが、結局流入した移民がドイツ語すら学ばずに文化を時に破壊しました。 そうした事態が社会に混乱をもたらしたなかで分断と怒りが起こりましたが、そこを彼らが超えれば新しい社会システムに至ることができるかもしれません。 日本は少子高齢社会に入り、このままでは消滅してしまうというプレッシャーの中で、新しい社会を創る可能性があると思っていました。 しかしコロナで、もはや世界のどこからでも、新しい社会システムが生まれる状況になっていますね。 宮田氏: いまドイツが国家予算の数倍にあたる補償を積み上げていたり、スペインがベーシックインカムの導入を議論したりと、各国が退路のない覚悟の中で、それぞれの国のあり方、民主主義を問い直しています。 国家データ戦略においては、コロナ前はアメリカ型と中国型という2つの勝ちパターンがあったのですが、米中以外のどの国も第三の道を必要としています。 その中で新しい民主主義や経済システムが必要とされるのは間違いないだろうと思います。 一方でアメリカンドリームの影で、搾取する対象を替えながら、格差を作り続けるモデルであったことも事実です。 しかしコロナで4200万人が失業保険を申請するという未曾有の事態となり、アメリカンドリームが一時的に見えなくなりました。 そうした中で、建国から抱えていた矛盾を問い直しているのがBLM運動ではないかと思います。 こうした問いの中から、新しい民主主義モデルが出てくるのか、分断が加速するのか、異なる議題がセットされ雲散霧消するのかはまだわかりません。 ただ少なくとも彼らの民主主義は根本から問い直され、退路の無い変化に入ったと思います。 このような歴史の転換点となる状況にあっても変わらない、変われないという議論がありますが、やはり変えないといけないと思います。 変われなかったではなくて、「どう変えるか」という意思の中で、状況と向き合うことが大切です。 日本は現時点ではコロナの影響が欧米に比べて小さく、未来にリソースを割く力があります。 ですからいまあるアセットの中で、どう変えるのか議論しなければいけないと思います。 日本はいまデータ戦略を直ちに再構築したうえで、国の方向性を決めていく大事な時期です。 【執筆:フジテレビ 解説委員 鈴木款】.

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黒岩知事の会見で隣座っている人は誰?慶應の宮田教授の経歴とはどんな人

宮田 裕章 教授

東京大学院医系研究科健康・看護専攻修士課程了、同分野 保健学博士(論文) 早稲田大学人間科学学術院助手、東京大学大学院医学系研究科 医療品質評価学講座助教を経験。 2009年4月より東京大学大学院医学系研究科医療品質評価学講座 准教授 2014年4月より同教授 (2015年5月より非常勤) 2015年5月より慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室 教授 2016年10月より国立国際医療医研究センター国際保健政策・医療システム研究科 科長(非常勤) 宮田裕章さんは 東京大学医学部大学院を卒業しています。 その後、助手・助教授を経験し、 2015年から慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室の教授に就任。 各学会が医師を審査する「専門医制度」は、審査する側もされる側も、証明書類の準備が大変だった。 だが医療現場のデータベースNCDが普及し、変わった。 今ではビッグデータが医師の技術や信用を担保している。 — 日経ビジネス nikkeibusiness ファンキーなお姿ですが、非常に優秀な方なのです! 社会的活動 優秀な宮田裕章さんですので、社会的なお仕事にも声がかかります。 厚生労働省 参与 日本医師会 客員研究員 厚生労働省 保健医療2035策定懇談会構成員 厚生労働省 保健医療分野における ICT活用推進懇談会 構成員 厚生労働省 データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会 構成員 厚生労働省 新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会 構成員 厚生労働省 保健医療分野における AI 実装推進懇談会 構成員 大阪府 2025年万博基本構想検討会議メンバー 福岡市 福岡市健康先進都市戦略策定会議 メンバー 静岡県「社会健康医学」基本構想検討委員会メンバー 沖縄県 健康・医療産業活性化戦略策定業務検討委員会・ワーキンググループ委員 神奈川県 医療プロジェクト顧問 すでに日本全国を股にかけてご活躍中! 直近では、新型コロナウイルス関連で、 厚労省クラスター班や自治体と連携し、LINEによる健康データの分析を行っています。 「この調査自分のところにも来た!」という方も多いのではないでしょうか。 宮田裕章の年齢 おしゃれすぎて年齢不詳とも言われている宮田裕章さん。 宮田裕章教授についての情報があまりにも少ないので、いつになく画面を凝視したのだが、この白髪は自然やなくお洒落染めなのネ。。。 そして、もしかしたら年下?🐺🚬 — やす。 はなはかせ?うたうたいかな。 YASU8utautai 調べてみると、 生年月日は1978年8月7日なので、 今年42歳でした! やはり随分お若く見えますね。 髪が白というか銀髪なので、白髪なのかおしゃれ染なのかで混乱する方もいるようです。 宮田裕章は結婚している? 頭脳明晰でおしゃれな宮田裕章さん。 ご結婚はしているのでしょうか。 こちらは調査してみましたが、プライベートはほとんど公開されておらず、情報が出てきませんでした。 分かり次第追記します! 宮田裕章の銀髪の理由 2019年にNHKのクローズアップ現代に出演したことがきっかけとなり、宮田裕章さんのファッションが注目されました。 宮田裕章慶大教授(NHKクロ現)とクラウド(FF7)が激似! — テリー konokijicom この宮田裕章氏って方アーティストか!って思ったら慶應大医学部教授やて!神奈川県がコロナ対策でこの方が推奨するビッグデータを取り入れてるらしいで。 しかしこの教授勿論英語もペッラペラやしブラックジャックみたいな人やな。 銀髪や白髪に見えますよね。 一般的な教授とは対極的な出で立ちに驚いた方も多いのではないでしょうか。 NHK側が用意した衣装なのでは?いやいやNHKがそんなロックなことするわけないと判断がつかないと混乱しますが、 衣装は宮田裕章さんの自前です。 ちなみに宮田さんの衣装は自前です。 毎回テーマに合わせて選んでいるそうです😉 この後 夜11時50分から総合テレビの「NET BUZZ」で再放送予定です。 例えば、食品ロスについての回では、World Food Program(国連世界食糧計画)がモチーフとなったシャツを着ています。 シャツの代金の一部がWorld Food Programに寄付されます。 賢い人は洋服にメッセージを込めるとはこのことだなと感じました。 慶應義塾大学の宮田裕章教授、本当にカッコよくて参るわ…。 — 記憶回廊 pinoColumbo メッセージ性はもちろん、ファッションとしてもバシッと決まっててかっこいいですね! ただ、宮田裕章さんも最初からこのスタイルだったわけではありません。 黒髪の宮田裕章さん。 いつ頃からこのスタイルになったかまでは特定できませんでしたが、 理由を宮田裕章さん自身がnoteにアップしていました。 昨年に公表された経団連のSociety5. 0ビジョン作成にあたっては、宮田もディスカッションさせて頂きました。 テーマは「ともに創造する未来」であり、Society5. これを受けて、「多様な価値、新しい価値を創るのに、皆同じ格好では少し変ではないか?」 「シリコンバレーの人達がTシャツを着るのには楽だからという理由もあるが、肩書きをとって自由に発想するという部分もある。 皆がスーツを着ると社会的ステータスが生地や仕立てに直結し、若者は格好の時点で萎縮し、シニアはたいしたことを言っていなくとももてはやされる。 これがTシャツだとそうはいかず、中身で勝負しなければならない」などのディスカッションもありました。 もちろん営業職のように組織を背負って相手側の価値観に寄りそう仕事のドレスコードが厳しいのは仕方ありません。 ただ多様な価値の中で、新しい社会を見いだすためには、それ以外の選択肢も必要でしょう、ということで多様性を意図的に表現するスタンスをとりました。 それぞれの価値観によって服装も自由に表現してよいのではないかということですね。 最近よく言われている ダイバーシティ(多様性)の考え方を宮田裕章さんなりに取り入れた結果、このスタイルになったというわけです。 「中身で勝負や!」って姿がかっこいいですね! 宮田裕章のnote 宮田裕章さんはで情報発信をしています。 テレビで伝えきれなかったことや、宮田裕章さん自身が社会に向けて発信したいことが書かれています。 更新頻度は月に2回前後ですが、毎回興味深い内容ですし、とても分かりやすく書かれているので、宮田裕章さんのことをもっと知りたい方はぜひフォローしてみてください! 宮田裕章のFacebook 宮田裕章さんは、もお持ちです。 こちらの方がnoteより更新頻度は高めです。 宮田裕章さんが情報をシェアしてくださるので、特に今の時期はフォローしているとコロナ関連の情報が入ってくるのでおススメ。

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